2014年02月11日
なぜ群馬なのか?
「温泉ライター」 と名乗るようになったのは、5年くらい前からだと思います。
と、いうのも、自分から名乗り出したわけではないので、記憶はあいまいなんです。
2009年9月の 『ぐんまの源泉一軒宿』(上毛新聞社) が出版された以降からだと思います。
それ以前も雑誌等に、温泉のルポは書いていましたが、肩書きは 「フリーライター」 でした。
たぶん、著書の発売とともに、新聞や雑誌での紹介記事、テレビ、ラジオなどの出演の際に、便宜上、読者や視聴者に分かりやすくするために、「温泉ライター」 と称されるようになったのだと思います。
最初は、他の取材記事も書いていたので、多少抵抗はありましたが、今は、僕の代名詞のように使われているので、かえって重宝しています。
現在、僕は朝日新聞に 『小暮淳の温泉考座』 というコラムを連載しています。
これなどは、タイトルに筆者名が入っていますが、それでも僕のことを知らない人は、たくさんいます。
「えっ、小暮淳って、誰だい?」
という人のために、必ず文末には(温泉ライター) と肩書きを記しています。
他の新聞や雑誌に寄稿する場合も同様で、名前入りの冠記事でも、プロフィールを入れてもらったり、同様に文末か冒頭に 「温泉ライター」 の肩書きを掲載していただいています。
やはり、読者のためには、筆者の身分を明かすことは必要不可欠だとも思いますから。
時々、新聞や雑誌で記名なのに、プロフィールや肩書きがない記事を見かけますが、いったい “どこ” の “だれ” が書いているのか分かりません。
なかには、無記名なのに一人称の文体で書かれている記事もあったりして・・・
これでは記事に文責もないし、読者は幽霊文を読まされているようで、不安になってしまいます。
と、いうことで、僕は、どんな人が文章を書いているのか、分かりやすくするために 「温泉ライター」 と名乗るようになりました。
「小暮さんは、群馬しか書かないのですか?」
と、最近、訊かれることが多くなりました。
また、講演会の様子などが新聞記事で紹介される場合、「群馬の温泉ライター」 と形容されることもしばしばあります。
でも別に、限っているわけではありません。
近年は、温泉講座でも県外の温泉地へ出かけていますし、他県で講演会を開くこともあります。
ただ、1つだけ言えることは、群馬県内だけでも約100ヶ所もの温泉地があり、600軒以上の温泉宿があるんですよ。
まず、これらを網羅してからでないと、他県の取材には移れないというのが本音です。
よく、温泉ライターを名乗っている人の中には、「全国3,000ヶ所以上の温泉地をめぐり」 なんていうプロフィールを見かけますが、本当でしょうか?
僕が現在、年間80~100ヶ所のペースで温泉をめぐっていますから、単純に計算しても30年以上かかることになります。
で、その人たちは僕より若かったりするのですから、もう、超人としか思えません。
まして、じっくり取材して、年1冊のペースで本を執筆しようとすれば、僕には到底、不可能な数字であります。
だから僕は、とりあえず、自分の暮らしている群馬県の全温泉地の全温泉宿の “湯破” を目指して、コツコツと取材活動を続けているのです。
Posted by 小暮 淳 at 19:23│Comments(0)
│執筆余談