2017年01月21日
画家18年生
<画風(スタイル) や描き方の変化、それは単なる表現手段の変化なのか、描くことへの思考の変化なのか、それともその両方なのか。久保繁の作品がどう変化し、どう回帰し、どこへ向かっているのか……。画廊主> 個展DMより
1999年、春。
僕らは、ベトナムを旅した。
僕らとは、僕と久保繁。
彼は小学校~中学校の同級生。
卒業後は別々の人生をたどり、音信もまったく途切れていた。
再会は偶然だった。
居酒屋のカウンターで、23年ぶりに顔を合わせた。
そして、その日以来、何かに付けて公私を共にするようになった。
あの頃、僕はすでにフリーのライターでしたが、彼はまだ会社に勤めるデザイナーでした。
「日本に帰ったらどうする?」
「オレは、個展を開く」
「じゃあ、オレも本を書くよ」
メコンデルタのほとりで交わした約束は、その年の秋に実現された。
彼はデパートで人生初の個展を開き、僕は 『ヨー!サイゴン』 という本を書き下ろした。
画家、久保繁の誕生の瞬間でした。
あれから18年。
彼は前橋と逗子(神奈川県) にアトリエを構える画家として、精力的に海外を旅しながら、国内各地で絵画展を開いています。
そんな彼の、新春恒例の個展が、今年も今日から始まりました。
昨晩、オープニングレセプションが開催され、僕も旧友としてお祝いに駆けつけました。
「画風の変化は、心の変化か?」
「いや、ただなんとなくさ」
18年前に南国で見せた笑顔と変わらぬ笑顔で答えた彼。
でも、あの頃の僕らは、まだ40歳になったばかりでした。
「もう、あの灼熱の中を旅する体力はないな」
「ああ、もうすぐ還暦だもの」
「のんびり、やりましょう」
「好きなように、今までどおりに」
久保 繁 展 ~南国思考~
●会期 2017年1月21日(土)~29日(日)
10:30~19:00 (24日火曜休廊)
●会場 画廊すいらん
前橋市文京町1-47-1 TEL.027-223-6311
Posted by 小暮 淳 at 12:36│Comments(0)
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