2022年07月16日
飛び出すウンコちゃん
わろーた! わろーた!
のは後のことで、その時は笑いをこらえるのに必死でした。
毎月恒例の 「神社かみしばい」 での出来事。
僕は1年半から仲間とオリジナルの民話紙芝居を作って、神社の境内で上演しています。
※(当ブログ 「カテゴリー」 の 「神社かみしばい」 参照)
今月もたくさんの老若男女でにぎわいました。
ただ、前代未聞の珍事が起きたのです。
その回も客の入りは、ほぼ満席。
やや後方の席に、一人の年配男性が座りました。
推定年齢60代。
紙芝居の上演が始まっても、キョロキョロと周りを見渡したり、モジモジと体を動かしたりと、落ち着きがありません。
ついには立ち上がり、僕がいる販売ブースへとやって来ました。
境内には、荷台に紙芝居を載せた自転車の前にイスを並べた “観劇ブース” と、その周りで僕の著書や画家の作品を売る “販売ブース”、それと子供たちのために、クジ引きやおもちゃを売る “駄菓子屋コーナー” が設営されています。
当然ですが、みなさん、上演後のお楽しみに立ち寄ります。
子供だって、その辺はわきまえています。
ところが!
何を思ったか、このオッサンは突然、席を離れ、ツカツカと会場を歩き回り、まず僕のブースで絵本を買い、となりのブースでは、作家のイラスト入りの手拭いとマスクを買い出しました。
「おいおい、おっさん、今は上演中だぜ!」
と心の中では、つぶやいたのですが、お客さんには変わりありません。
黙って、販売いたしました。
ところが!
そのオッサンは、さらなる暴挙に出たのです。
席に戻ると、おもむろに買ったばかりのイラスト入りの手拭いを広げ、頭にほっかむりをしました。
さらに、続けざまに、かわいいイラストの描かれたマスクをかけました。
異様な風体。
まさに、“変なおじさん” の出来上がりです。
僕も笑いをこらえるのに必死でしたが、一番迷惑だったのは演者の紙芝居師でしょうね。
子供ならまだしも、いい歳をしたオッサンが、ちょこまか会場を歩き回り、買い物をした挙句、その商品を我慢できずに開けてしまい、身に着けてしまったのです。
と、ところが!
オッサンの暴挙は、これで終わりではありませんでした。
ほっかむりにイラスト入りマスク姿のオッサンは、またもや会場を徘徊しだしました。
何を思ったのが、ツカツカと僕のいるブースに近寄り、無言で100円玉を渡してきました。
「? 」
意味が分かりません。
僕のブースには、100円の商品なんてありませんからね。
すると、隣の隣の無人のブースを指さします。
《クジ引き 1回 100円》
えっ、マジか?
今、上演中だぜ!
もし子供だったら、「紙芝居が終わってからにしようね」 と、なだめるところですが、相手は僕と同年配の筋金入りのオッサンです。
しかたなく、隣の隣の “駄菓子屋コーナー” のブースへ連れて行き、クジ引きをさせました。
すると見事、3等が大当たり!
跳び上がって喜ぶオッサン。
賞品を渡すと、満面の笑みをたたえながら席へと戻って行きました。
読者のみなさんも、なんとなく察しがつきますよね?
この後、どんな展開になるか?
ええ、ええ、最低最悪の暴挙に出たのです!
3等の賞品は、「飛び出すウンコちゃん」 です。
当然、我慢ができないオッサンは、包装袋を破り、賞品を取り出し、会場の真ん中で、遊び出しました。
「飛び出すウンコちゃん」 とは?
棒の先に刺さっているウンコの形をしたスポンジでできた物体が、ボタンを押すとバネの力で飛び出すおもちゃです。
ビヨ~ン、ビヨ~ン
紐が付いているので、何度でも戻って来ます。
もうダメです。
こらえていた笑いにも限界があります。
クスクス、クスクス、まわりからは笑い声が聞こえ始めました。
紙芝居師も必死です。
見ても、見ないふりをしながら口演を続けています。
でも、僕には実に奇妙な光景に映りました。
だって最前列では、小さな子供たちが行儀よく一列に並んで、真剣に紙芝居を見入っているのです。
一方、後列では、ほっかむりにイラスト入りマスクをしたオッサンが、“ウンコちゃん鉄砲” を楽しそうに発射しているのです。
これが、令和の正しい庶民の図なのでしょうか?
平和な光景ではありますけど……
Posted by 小暮 淳 at 12:15│Comments(2)
│神社かみしばい
この記事へのコメント
おっさん、他人とは思えません~
Posted by お汁粉ちゃん at 2022年07月16日 20:01
お汁粉ちゃんへ
「生まれっぱなし」 という言葉がありますが、たぶん、このオッサンは “天然” なんでしょうね。
“養殖” のように社会のルールを学んで来なかった。
それにしても、よく今日まで他の人間に捕食されることなく、のびのびと生きて来られたものです。
ただただ、感心して見ていました。
「生まれっぱなし」 という言葉がありますが、たぶん、このオッサンは “天然” なんでしょうね。
“養殖” のように社会のルールを学んで来なかった。
それにしても、よく今日まで他の人間に捕食されることなく、のびのびと生きて来られたものです。
ただただ、感心して見ていました。
Posted by 小暮 淳
at 2022年07月17日 10:40

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