2024年12月11日
「アチョー!」 の一撃
決して平凡ではないけれど、あまり起伏のない人生だと思います。
たぶん、嫌なことから逃げて、好きなことだけをして生きてきたからだと思います。
と、彼らに会って、つくづく思いました。
昨晩、高校の同級生4人が、居酒屋に集まりました。
ひょんなきっかけから一人と再会し、彼を通じて、また一人と再会。
「だったらKを誘って、4人で会おうよ」
ということになったのです。
みなさん、立派な大人(ジジイ)になっていました。
でも、みんな、まだ現役です。
誰からともなく、高校卒業後の人生の報告をしだしました。
仕事を何回も変わった人、離婚をして再婚をした人、大病をして会社を辞めた人……
僕にしてみれば、想像を絶する波瀾万丈の人生です。
「みんな、凄いな~。よく、いじけずに生きてきたな~」 って。
僕だったら、そんな目に遭ったら、やり直せないかもしれません。
「ジュンはどうなのよ? 勤めって、したことないの?」
そう言われて、高校以後の人生を簡単に話しました。
そして、話しながら思ったんです。
「俺の人生って、紆余曲折はしているけど、彼らのように悩み苦しんではないな。みんな偉いな~」 と。
僕の生き方が、一番不真面目に思えました。
K君とは高校卒業以来、一度も会っていませんから48年ぶりの再会です。
彼と、二人っきりになった時でした。
「あの時は、ごめん」
突然、僕に謝ったのです。
「?」
「ほら、俺がブルース・リーの真似をしていてさ」
「!」
忘れていた遠い記憶が、よみがえって来ました。
体育の授業中のことです。
K君がブルース・リーの真似をして、「アチャー!」 と叫びながら回し蹴りをした足が、僕の顔面に当たってしまったのです。
「本当に悪かった」
「いやいや、全然、痛くなかったし」
「でも、出血がすごかったよな」
「ああ」
思い出しました。
唇が切れて、すごい出血で、僕は保健室の先生に連れられて、救急病院へ運ばれたのでした。
「3針縫った」
「3針!?」
「たぶん……」
「ごめん」
そういった彼の目が、昔のK君のままだったので、笑ってしまいました。
つられて彼も笑いました。
「呑もうか」
「おお」
そう言って、僕らは席に戻りました。
今でも、あの若き日の 「アチョー!」 という怪鳥音が聞こえます。
青春でした。
Posted by 小暮 淳 at 10:55│Comments(0)
│つれづれ