2025年02月24日
残念な町食堂
コテコテの昭和人間ですからね。
僕は、昔ながらの町食堂が大好きです。
特に最近は、チェーン店のタッチパネルでの注文や自動支払機などの無味乾燥な雰囲気に、へきえきしているのであります。
それに比べると、町食堂には人情味があります。
メニュー表や壁のお品書きを見ながら、じっくりと、あれこれ悩みながら注文することができます。
主人や女将さんとの雑談もできるし、常連になれば、から揚げ1個のおまけが付くかもしれません。
もちろん、「ごちそうさま」 と言えば、「ありがとうございました」 と、ちゃんと手渡しで精算をしてくれます。
ん~、これぞ、正しい町食堂の姿であります。
で、昨日、久しぶりに町食堂へ行ってきました。
どれらい久しぶりかというと、2~3年ぶりなんですね。
それは、なぜか?
実は、その食堂は昔からお気に入りで、30年以上前から通っていました。
ところが数年前に、ご主人が亡くなり、息子さんが店を継いだのです。
「どれどれ、ちゃんと先代の味を継いでいるかな~」
と気になり、すぐに偵察に行きました。
もちろん、注文したのは一番人気だったあんかけチャーハン。
ところが……
見た目は変わらないのですが、口に含むと 「?」。
なんか違うんです。
以前に比べると、パンチがないんですね。
一口目に広がる 「この味、この味」 というのが感じられませんでした。
で、その後、足が遠のいてしまったというわけです。
さて、あれから2~3年が経ちました。
息子さんの腕も上達したことでしょう。
味にうるさい常連客らに、叱咤激励され、先代の味に近づいているに違いありません。
ところが……
一口食べて、ガッカリ!
「あれ?」
完全に別物になっていました。
もしかしたら、息子さん流に味をアレンジしたのかもれませんね。
まずチャーハンの味が全然違います。
もっとパラパラしていましたが、今はなんだかシットリとしています。
上にのっているあんの味も、かなりあっさり気味です。
これでは味変を楽しむことができません。
(思わず、しょう油をかけてしまいました)
店は、昭和のままなのですが、何から何まで変わってしまいました。
値段も高くなり、メニューの数も少なくなりました。
息子さんの頑張っている姿は、カウンター越しに見えましたが、先代ほどの愛想は持ち合わせていないようです。
誤解しないでください。
味というのは、あくまでも嗜好なんです。
僕の口が、先代の味を好んでいるだけなんですね。
その証拠に、今でも店は繁盛しています。
息子さんが作り出す、令和の味にもファンがいるわけです。
でも、僕にとっての思い出の味は、もうありません。
時代は変わったんだと、時の流れを感じながら店を出ました。
Posted by 小暮 淳 at 11:10│Comments(0)
│つれづれ