2010年11月25日
川原湯温泉 「高田屋」
昨日をもって、川原湯温泉の「高田屋」が、“先行きが見えない” として無期限休業に入りました。
創業は江戸時代、215年の歴史をもつ老舗旅館です。
なんとも辛く、悲しく、新聞記事を読んで、体中に悪寒のような震えをおぼえました。
今年7月の発表時、「ウソであってほしい」「昨日の日を迎える前に、撤回してほしい」と、せつに願っていましたが、残念なことに、昨日という日が訪れてしまいました。
昨年9月、民主党への政権交代以降、今春に宿泊営業を休止した「柏屋」に続いて、2軒目の休業です。
これで川原湯温泉は、最盛期には22軒もあった旅館が、たった5軒になってしまいました。
「高田屋」7代目社長の豊田明美さんは、僕の中学の後輩であります。
(県内温泉地の子供は、前橋市の学校へ越境入学することが少なくありません)
「先輩と言えば、親も同然です!」と、某会合の席で笑いあったのが、最初の出会いでした。
そのときは、まだ彼の肩書きは、専務でした。
その後、僕は雑誌の取材で訪れたり、プライベートで泊まりに行ったり、幾度となく7代目主人として宿を守り継いで頑張っている彼の姿を見てきました。
そして昨年の、まさかの “政権交代”。
まさかの “ダム工事の中止”。
それからは、彼の顔をテレビのニュースの中で見るようになりました。
実は、迷ったのです。
結果、先に出版した拙著 『群馬の小さな温泉』 に、川原湯温泉は掲載されませんでした。
取材のスタートは、今年の1月です。
すでに川原湯温泉の雲行きは怪しくなっていました。
当時はまだ、「柏屋」も「高田屋」も営業を行っていましたから、7軒の宿があったことになります。
でも……
皮肉ですね。
もし、掲載が決まっていたら、僕は「高田屋」を取材していたもの。
豊田君!
いつになってもかまわないから、必ず再開してくださいね。待っていますよ。
前橋一中~! ファイト!
Posted by 小暮 淳 at 12:13│Comments(2)
│温泉地・旅館
この記事へのコメント
こんにちは、この件は気持ちが痛ーいです。わが県の問題であり、温泉地域の発展に関わる重大すぎる問題!こんな時に敏腕政治家がいないのも大問題です。もう温泉の神様も湯あたりしてしまいます(?)。
Posted by ぴー at 2010年11月25日 14:10
ぴーさんへ
群馬には、湖底に消えた温泉が、いくつかあります。
奥利根湖の下には湯の花温泉が、赤谷湖の下には湯島温泉と笹の湯温泉が沈んでいます。
川原湯温泉は、代替地への移転を想定して、新源泉を掘り当てましたが、それによって旧源泉の湧出量が減少してしまいました。
皮肉なものです。
どーして、こうなる前に、なんとか出来なかったのでしょうかねぇ……
群馬には、湖底に消えた温泉が、いくつかあります。
奥利根湖の下には湯の花温泉が、赤谷湖の下には湯島温泉と笹の湯温泉が沈んでいます。
川原湯温泉は、代替地への移転を想定して、新源泉を掘り当てましたが、それによって旧源泉の湧出量が減少してしまいました。
皮肉なものです。
どーして、こうなる前に、なんとか出来なかったのでしょうかねぇ……
Posted by 小暮 at 2010年11月25日 21:39