2011年02月18日
松の湯温泉 「松渓館」
今日は、新聞連載の取材で、松の湯温泉「松渓館」へ行って来ました。
松の湯温泉って、どこにあるかご存知ですか?
中之条方面から国道145号で行くと、話題の八ッ場(やんば)ダム騒動に揺れる川原湯温泉の手前、川中温泉へ行く途中に一軒宿はあります。
「松渓館」を訪ねるのは、今回で3度目です。
初めて行ったのは、25年前の夏のこと。新婚当時に、新妻だった家内と泊まったことがあります。
(と、いうことは今年は銀婚式ですな。新妻も、古女房に化けました)
2度目は、2年前に本の取材で訪ねています。
今日は、久しぶりに会った4代目女将の小池すみ子さんと、思い出話から始まり、大いに盛り上がりました。
とにかく、ここの湯は、良いんですよ。
僕の好きな群馬の湯の10指に入りますね。
何がイイかって、まず湯量が凄い!
裏山の中腹から毎分100リットルの湯が湧き出しているのですが、宿では70リットルしか引き入れていません。
なぜか?
その理由が、また凄い!
女将いわく
「全部引き入れると、浴室が脱衣場まで水浸しになってしまうのよ」
今日は、その源泉の湧出地を見せてもらいました。
宿の裏山、といっても、かなり急な山道を登ります。
ちょうど宿の屋根を見下ろす真上に、石に囲まれた泉源はありました。
昔は、ここに露天風呂があったそうです。
湧出口には鉄板の蓋がしてありましたが、使いきれない分(毎分30リットル分)の湯が、あふれ出ています。
硫黄の成分でしょうか、乳白色の析出物が山肌を流れる湯の道筋に付着しています。
かすかに硫黄臭もしました。
自然湧出した湯は、そのまま動力を一切使わずに、浴槽まで流下されます。
「松渓館」の浴室は、内風呂がたった1つです。
男女別の浴槽はありません。宿泊客が部屋ごとに貸切で使用します。
いいですねぇー!
“浴槽は小さければ小さいほど良い”という僕の持論に叶った理想の浴槽です。
だもの、3割の湯を川に逃がしても、浴槽からあふれ出る湯の量は、まさにナイヤガラの滝状態!
僕は、ここ以上のオーバーフローは見たことがありません。
「うわ~っ! 凄い湯の量ですねー!」
と、同行のカメラマン氏も浴室へ入るなり、絶叫しました。
さらに、ここの浴槽の凄いところは、湯口(湯の注ぎ口)が見当たらないところ。
なのに湯が浴槽の縁から、ゴーゴーと音を立てて流れ出しているのです。
もう、お分かりですね。
湯床から噴き上げているのです。
山肌を滑り落ちてきた湯が、加速をつけて、一気に浴槽の底から湧き上がります。
その水圧も凄い!
泉質は、カルシウム-硫酸塩温泉
泉温は、32.4℃
加温されることなく、そのまま流し入れられた、これぞ正真正銘の“源泉かけ流し”です。
しかも、自然流下!
正しい温泉の模範のような温泉であります。
体温より低い“ぬる湯”であります(40℃に加温した浴槽もある)。
ジーッとして入っていると、やがて体中が小さな気泡の粒にまみれるのです。
自然の力がみなぎっている、野生の湯であります。
湯力(ゆぢから)を感じます。
かのTVチャンピオン3連覇を達成した、温泉研究家の郡司勇さんが、2回も訪ねて来た湯であります。
群馬の温泉の底力を思い知らされる、絶品の湯ですぞ!
Posted by 小暮 淳 at 22:05│Comments(2)
│温泉地・旅館
この記事へのコメント
ストレス軽減の為には 不感帯入浴て
効果的なのですが
イマイチ ブームが来ませんね
現代人よ
ぬる湯へ
効果的なのですが
イマイチ ブームが来ませんね
現代人よ
ぬる湯へ
Posted by momotaka at 2011年02月21日 12:45
momotakaさんへ
温泉にも、温泉地にも、旅館にも、快適さを求める現代人には「ぬる湯」は受け入られづらいでしょうね。
まして、加温しないままとなると……
温泉にも、温泉地にも、旅館にも、快適さを求める現代人には「ぬる湯」は受け入られづらいでしょうね。
まして、加温しないままとなると……
Posted by 小暮 淳
at 2011年02月21日 16:57
