2012年01月23日
2つある温泉の名前
僕は昨年の暮れから、みなかみ町(旧水上町・旧月夜野町・旧新治村) に入り込んで、取材活動を続けています。
1年半かけて、すべての温泉とすべての宿をめぐる企画なのですが、取材途中にして、ある不都合が浮上してきました。
それは、温泉地名の表記です。
皆さんは、温泉地名と温泉名があるのをご存知ですか?
温泉地名は、温泉地の名前です。
温泉名は、源泉に付けられた名前です。
大概、この2つは同一名なのですが、まれに異なる温泉地があります。
今回、僕が出合った案件は2ヶ所。
① A温泉地の源泉名はB温泉となっている。
② C温泉地の源泉名はD温泉となっている。
A温泉地の場合は、B温泉地より源泉を引き湯しています。
C温泉地は、自家源泉を所有してますが、その源泉名がD温泉となっています。
ところが、D温泉という名の温泉地が他に存在するのです!
なに? ややこしくて良くわからないって?
はい、これは、とてもややこしい問題なのです。
ちょっと整理してみましょうね。
A温泉は、かつて源泉を所有していた旅館があったのですが、現在は源泉を持たない旅館が、近くのB温泉から温泉を引いている状態です。もし温泉地名を源泉名に統一するならば、A温泉はB温泉と表記しなければなりません。
やっかいなのは、C温泉の場合も同様です。
長年、C温泉と名乗っているのですが、なぜか源泉名は他の場所にある温泉地名と同名なのですから。
A温泉もC温泉も、源泉名に忠実な表記にすると、どちらも他の温泉地と同じ温泉地名になってしまうという不都合が生じてしまうのです。
できれば、なんとか回避したいものです。
実は、温泉地名と源泉名が異なる温泉というのは、決して珍しくはありません。
有名な例では、JR吾妻線沿いの小野上温泉(現・渋川市) などが挙げられます。
かつては、塩川温泉と呼ばれていました。
確かに、僕も温泉分析書にて、源泉名も塩川温泉であることを確認しています。
昭和53年に 「小野上村温泉センター」 ができると、連日満員の大盛況となりました。
人々は、「小野上村温泉センター」 を略して 「小野上温泉」 と呼ぶようになったのです。
当時はまだ日帰り温泉施設が珍しかったため、村外からも客が押しかけてきました。
その人気のほどは、平成5年にJR吾妻線に小野上温泉駅が開設されたことでも分かります。
本来なら、温泉地名の 「塩川温泉駅」 とするべきなのに・・・
ついに人気に押され、平成18年の渋川市との合併を機に、源泉名と温泉地名を正式に 「小野上温泉」 と統一しました。
以上のような例もありますので、必ずしも温泉地名と源泉名が合致している必要はないのです。
が!
やっぱり、まぎらわしいですよね。
今後、取り組んでいかなくてはならない課題の1つであります。
Posted by 小暮 淳 at 19:20│Comments(4)
│温泉雑話
この記事へのコメント
分析書を見たりすると、不思議に思ってました。 ヤヤっこしー
大体、温泉関係の決まりは、どれもコレモ 曖昧
大体、温泉関係の決まりは、どれもコレモ 曖昧
Posted by ぴー at 2012年01月24日 09:37
ぴーさんへ
そもそも温泉法そのものが、ザル法ですからね。
なんでもアリです。
我々入浴者が賢くなるしかないようです。
そもそも温泉法そのものが、ザル法ですからね。
なんでもアリです。
我々入浴者が賢くなるしかないようです。
Posted by 小暮 at 2012年01月24日 12:02
役人が適当に決めるから こうなるのでしょうが
原発が終焉を迎えれば 今度は 地熱発電確保の為
改正されるはず
草津とか万座 四万とか湯宿なんて 破壊されるかも?
そう言えば 日本で1番長い引き湯は 何処なんだろう(?_?)
さわんど温泉なのかな?
原発が終焉を迎えれば 今度は 地熱発電確保の為
改正されるはず
草津とか万座 四万とか湯宿なんて 破壊されるかも?
そう言えば 日本で1番長い引き湯は 何処なんだろう(?_?)
さわんど温泉なのかな?
Posted by momotaka at 2012年01月24日 15:55
momotakaさんへ
群馬県内では、新鹿沢温泉ではないでしょうかね。
旧鹿沢から4キロの引き湯ですから。
それ以上が、ありますか?
群馬県内では、新鹿沢温泉ではないでしょうかね。
旧鹿沢から4キロの引き湯ですから。
それ以上が、ありますか?
Posted by 小暮 at 2012年01月24日 20:07