2012年01月26日
梨木温泉 「梨木館」
拙著 『ぐんまの源泉一軒宿』 の取材で、泊めていただいたのが2009年の春ですから、かれこれ3年ぶりに梨木温泉の一軒宿 「梨木館」 を訪ねてきました。
梨木館といえば、まず、あの濃厚な黄褐色の「薬師の湯」源泉であります。
今日も、3年前と変わらず、鮮やかなカーキ色をしていましたよ。
昔は 「にごった湯は汚い」 と嫌われた時代もあったそうですが、今は 「この、にごり湯がいいのよ」 と若い女性が来るようになったとのことです。
「最近は、若い人のほうが、温泉に詳しくて、うるさいですよ」
とは、5代目女将の深澤正子さんであります。
梨木館といえば、やっぱり、この女将でしょう!
いゃあ~、今日も今日とて良くお似合いの着物姿で、相変わらずの話好きで、最後にお会いしたのは3年前だというのに、なんだか頻繁に会っているような親しみを感じました。
現在は、6代目の息子さん夫妻に 「経営の一切は任せている」 とのことですが、それでも常連客の中には女将さんファンが多いようで、こうやって現役で女将業を元気にこなしているのであります。
梨木館の創業は、明治12年。
昭和初期の写真が、ロビーに展示されていますが、これがスゴイ!
木造3階建ての建物が、7棟も写っています。
一晩に、千人を超す客で、廊下まで埋まったこともあったそうですよ。
湯治宿として繁栄を極めていたんですね。
しかし、昭和40年に火災で旅館は全焼。
その後は、5代目主人の亮一さんが、現在の梨木館をつくり上げました。
その亮一さんが昭和54年に、「山の中の一軒家へ、温泉以外に客を呼べるものを」 と考えたのが、名物の “キジ料理” です。
ええ、ええ、僕も前回泊まったときに、いただきましたよ。
刺し身、唐揚げ、しやぶしゃぶ、つみれ鍋・・・
山里のごちそうに、その晩も、ついつい飲み過ぎてしまったことを覚えてします。
残念ながら、今日は日帰り取材だったので、キジ料理は食べられませんでした……
と! 書きたいところですが~!
なななんと、女将さんからおみやげに 「きじ釜飯」 なるものをいただいてしまいました。
この釜飯、かなりのスグレモノです。
陶器の釜に、お米とだし汁を入れて、電子レンジでチン!とするだけで、アツアツ炊き立ての名物 「きじ釜飯」 が簡単に食べられるんですよ。
考えたのは、6代目若主人の幸司さんであります。
先ほど、さっそくいただきました!
「ああ、またキジ料理が食べたい」 と思わせる、宣伝効果バツグンのおみやげですね。
幸司さんは、実にアイデアマンであります。
梨木館は、歴史があるだけではなく、常に進化している旅館なのです。
Posted by 小暮 淳 at 20:58│Comments(4)
│温泉地・旅館
この記事へのコメント
雑木林の一軒家ですが
何気に ハイクラスのお宿ですよね
足尾銅山が操業してた頃は 忙しかったはず
何気に ハイクラスのお宿ですよね
足尾銅山が操業してた頃は 忙しかったはず
Posted by momotaka at 2012年01月27日 16:37
momotakaさんへ
日帰り入浴をしていないのがネックですが、まれに見る濃厚なにごり湯ですぞ!
日帰り入浴をしていないのがネックですが、まれに見る濃厚なにごり湯ですぞ!
Posted by 小暮 at 2012年01月28日 00:22
日帰りコースがあれば、もっと展開すると思います。
まず、私も行きたいから!
まず、私も行きたいから!
Posted by ぴー at 2012年01月28日 10:28
ぴーさんへ
入浴だけは受け付けていませんが、昼食付き休憩の日帰りコースはありますよ。
ぜひ、あの濃厚な湯を体験してみてくださいませ!
入浴だけは受け付けていませんが、昼食付き休憩の日帰りコースはありますよ。
ぜひ、あの濃厚な湯を体験してみてくださいませ!
Posted by 小暮 at 2012年01月31日 01:32