2012年03月07日
猿ヶ京温泉 「長生館」
昨日は、取材旅行へ出かける前に、朝イチで医者へ飛び込みました。
熱はなかったのですが、起きたときから体がダルくて、道中が不安になったもので……。
「小暮さん、調子はどうですか?」
「絶不調です」
「そう、良かった。えっ? 不調!」
主治医とのやり取りがあった後、診察してもらいました。
「これから泊まりで取材に出かけるんですよ。先生、元気になる注射でも1本打ってくださいよ。ガツーンと効くやつを!」
ところが、血圧も平常、検尿の結果も問題なし。
「別に悪いところありませんよ。酒の飲み過ぎじゃあ、ないですか? しばらく控えてください」
「えっ! 今晩、宴会があるんですけど?」
「では、欠席してください」
「そりぁあ、無理です」
「では、ドクターストップがかかっているからと、こうやってグラスに手でフタをして断る」
「僕に、そんな芸当ができると思います?」
主治医、爆笑しながら 「お大事に」 と言う。
“病は気から” ということで、先生から 「健康」 のお墨付きをいただいたら、俄然、元気になってしまいました。
よーし、今日も元気に取材して、夜は元気に酒を浴びるのだーーーーーっ!
と、一路、猿ヶ京温泉へ。
とにかく、一度、泊まってみたかった宿であります。
「元湯 長生館」
昭和33年に赤谷湖に沈んだ “旧四軒” と呼ばれる旅館の中でも老舗中の老舗です。
創業は、昭和8年。
現主人の生津淳一さんは4代目。
“旧四軒” も今では2軒が廃業をしてしまい、残っているのは旧湯島温泉にあった長生館と猿ヶ京ホテル(旧桑原館)だけとなってしまいました。
なにが、そんなに泊まってみたかった宿なのかと言えば、その歴史もさることながら、「元祖 野天風呂の宿」 だからです。
元祖とは、湯島温泉時代に、すでに野ざらしの露天風呂があったからとのことです。
ちなみに、「露天」 と 「野天」 の違いは、湯舟にひさしとなる屋根があるかないかだとか。
温泉に詳しい人なら、もうお分かりですね。
循環式装置のなかった時代に、野天風呂を持てたということです。
冬場、氷点下となる外気に触れる風呂が、加温もせずに、かけ流しができるということです。
“湯元” でなくてはできません。
で、野天風呂へ行って、驚いた!
玄関からサンダルに履き替えて外へ出て、赤谷川へ向かってズンズンズンズンと降りて行くのです。
そして、目の前に広がる風呂は、湯気が上がっていなければ 「これは池だよな」 と見間違うほどの大きさ!
しかも、熱い!
源泉の温度は約56度。
湯量は毎分、ドラム缶3本分といいますから、使いきれずに捨てているという量です。
これだけ外気に触れていながら、それでもこんなにも熱いという素晴らしさ。
“温度” と “湯量” の勝利です。
でも、熱いと感じるのは最初だけで、肩まで浸かるころには、ちょうどいい塩梅であります。
少しぬるいと感じたら、体を移動して源泉の注ぎ込む 「湯口」 の近くへ・・・
熱いなぁ、と思ったら今度は湯があふれ出している 「湯尻」 へ向かって移動を・・・
赤谷川上流の渓谷にそびえる駒形岩のてっぺんに、丸い月がポッカリ浮かんでいます。
月見風呂だなんて、ああ風流だねぇ~。
と、ふだんは内風呂派の僕も、この露天、いや野天風呂だけは、正直、脱帽いたしました。
さて、病を気と温泉で治したら、あとは、体の中をアルコールで清めるだけです。
浴衣に丹前を引っ掛けて、夜の湯の街へと消えたのでありました。
Posted by 小暮 淳 at 22:22│Comments(3)
│温泉地・旅館
この記事へのコメント
師匠さま
痛風は大丈夫ですか?
痛風は大丈夫ですか?
Posted by ぴー at 2012年03月08日 09:13
猿ケ京は空き瓶が 積まれている事でしょうね
d(^-^)
しかし 今頃は 無理をした反動が 出ているハズ
歳には勝てないので 力加減を……
d(^-^)
しかし 今頃は 無理をした反動が 出ているハズ
歳には勝てないので 力加減を……
Posted by momotaka at 2012年03月08日 14:59
ぴーさん、momotakaさんへ
ご心配していただき、ありがとうございます。
自分でも不思議なのですが、僕の体はアルコールを原動力にしてできているみたいです。
飲めば飲むほど強くなる “酔拳” のよう。
かなり元気になりました。
ご心配していただき、ありがとうございます。
自分でも不思議なのですが、僕の体はアルコールを原動力にしてできているみたいです。
飲めば飲むほど強くなる “酔拳” のよう。
かなり元気になりました。
Posted by 小暮 at 2012年03月08日 17:19