2012年07月18日
野栗沢温泉 「すりばち荘」②
今日は、2年ぶりに上野村にある群馬県最南端の温泉、野栗沢(のぐりざわ)温泉の一軒宿 「すりばち荘」 を訪ねてきました。
宿は名前どおりの、V字谷のすり鉢の底にあります。
山を1つ越えれば、埼玉県です。
とにかく僕は、ご主人の黒沢武久さんに、一日も早く会いたかった。
今年の春に、奥様を亡くされたと聞いていたから ・・・
でも、今日、久しぶりに会って、少し安心しましたよ。
以前と変わらぬ、明るい笑顔を見せてくれたもの。
だけど、少しやせたかな……?
「女房が死んでから10キロもやせちゃったよ。間食をしなくなっちゃったからね」
と言います。
以前は、仕事がひと段落するたびに、女将さんとお茶しながら、お菓子をつまんでいたんだそうです。
それが、夫婦のかけがえのない時間だったのですね。
昔から野栗沢の湯は、アトピー性皮膚炎に効くことで有名で、全国から 「治った」 「ありがとうございます」 といった感謝の便りが今でも寄せられています。
ご主人が、その温泉水を使い業者に頼んで作らせた石けんが 『薬師の湯 伊久海 (いくこ) の石けん』 です。
「いくこ」 とは、女将さんの名前なんです。
それほどに奥様を愛されていたということ。
だから、まだ悲しみの中にいるご主人に、これ以上、奥様の話なんて聞けませんって。
ときどき、淋しそうな表情を浮かべるんだもの。
話題を変えなくっちゃ、話題を変えなくっちゃって、話をしながら、ずーっと考えていました。
「ご主人、一緒に風呂に入りましょう!」
と、いうことで、2人で裸になって、野栗沢川を見下ろすヒノキ風呂の湯舟の中へ。
本当だ、ご主人、やせちゃったね。
2年前に雑誌の取材で泊まったとき、パンツ一丁で浴室掃除をするご主人を撮影したのであります。
今、その雑誌を広げて見ると、ポッコリお腹が出ているし、顔もふっくらしているものね。
「はーい、2人、もっと近寄ってください。目線だけ、こっちへください」
カメラマンの声に、にっこり笑いながら寄り添う、裸のご主人と僕。
ご主人、元気を出してくださいね。
息子さんと力を合わせて、これからもアオバトが見つけた魔法の泉を守り続けてください。
(※アオバトが見つけた魔法の泉については、当ブログの2010年7月10日「野栗沢温泉 すりばち荘」を参照ください)
Posted by 小暮 淳 at 23:25│Comments(3)
│温泉地・旅館
この記事へのコメント
先日は、温泉講座、有難うございました。
ずうずうしくも、二人で記念写真まで撮らせていただいて、
大変お世話になりました。
講座、1時間半が短く感じる、非常に勉強になるお話でした。特に、群馬県内の、自然湧出泉が、明治以降、こんなにも減少している、というお話は大変ショックでした。次回講座も、楽しみに参加させていただきます。
前回講座帰り、ドライブついでに、上野村のヴィラせせらぎ、まで行ってしまいました。(野栗沢温泉も寄ればよかった・・・7/4に行ったので・・・)
野栗沢温泉「すりばち荘」も、時々、寄らせていただいて、ご主人さんと一度ですが、お話させてもらい、「源泉もってぎなー」(群馬弁)と、ペットボトルをいただいたことがありました。今度、アオバト観察パックで、宿泊したいと思います。
ずうずうしくも、二人で記念写真まで撮らせていただいて、
大変お世話になりました。
講座、1時間半が短く感じる、非常に勉強になるお話でした。特に、群馬県内の、自然湧出泉が、明治以降、こんなにも減少している、というお話は大変ショックでした。次回講座も、楽しみに参加させていただきます。
前回講座帰り、ドライブついでに、上野村のヴィラせせらぎ、まで行ってしまいました。(野栗沢温泉も寄ればよかった・・・7/4に行ったので・・・)
野栗沢温泉「すりばち荘」も、時々、寄らせていただいて、ご主人さんと一度ですが、お話させてもらい、「源泉もってぎなー」(群馬弁)と、ペットボトルをいただいたことがありました。今度、アオバト観察パックで、宿泊したいと思います。
Posted by マッチ at 2012年07月19日 03:36
いつかは通らなければならない道だとしても、現在きつい日々かと…
仕事も一緒にやっていた方は、なお一層だと感じます
時間、お客さん、お湯の力で、ゆっくりと元気になっていただけたらと思います。
仕事も一緒にやっていた方は、なお一層だと感じます
時間、お客さん、お湯の力で、ゆっくりと元気になっていただけたらと思います。
Posted by ぴー at 2012年07月19日 13:46
マッチさんへ
こちらこそ、暑い中、お越しいただき、ありがとうございました。
少しは、ためになりましたかね。
次回は、さらにマニアックな話をいたします。
また、お出かけください。
地震の影響か、今年はアオバトの飛来する時期も遅く、数も少ないそうですよ。
ぴーさんへ
温泉には、人の体だけではなく、心を癒やす力もあります。
野栗沢の湯は、本当に不思議な湯なんですよ。
人知れず湧いていたその湯を、1人で山から引いてきて、世に出したご主人の信念に脱帽します。
群馬には、全国に誇る素晴らしい湯守が、たくさんいますね。
こちらこそ、暑い中、お越しいただき、ありがとうございました。
少しは、ためになりましたかね。
次回は、さらにマニアックな話をいたします。
また、お出かけください。
地震の影響か、今年はアオバトの飛来する時期も遅く、数も少ないそうですよ。
ぴーさんへ
温泉には、人の体だけではなく、心を癒やす力もあります。
野栗沢の湯は、本当に不思議な湯なんですよ。
人知れず湧いていたその湯を、1人で山から引いてきて、世に出したご主人の信念に脱帽します。
群馬には、全国に誇る素晴らしい湯守が、たくさんいますね。
Posted by 小暮 at 2012年07月19日 17:51