2012年08月03日
法師温泉 「長寿館」③
今さら、取材もないでしょう。
法師温泉は、僕にとっては、いわば温泉ライターになった “ルーツ” のような温泉です。
雑誌や本の取材でも、たびたび訪れていますし、僕が講師を務める野外温泉講座でも訪ねています。
露天風呂のある 「玉城乃湯」 ができる前からですから、10年以上前から通っている温泉です。
6代目主人の岡村興太郎さんは、群馬県温泉協会の会長でもありますから、当然、個人的にも大変お世話になっている人です。
県の温泉アドバイザーの研修会や本の出版祝賀会などには、必ず出席してくださるので、そういった場では、当然、一献酌み交わすのが恒例となっています。
会長も、好きなんですよ! 酒が!
僕も他人に負けないくらい酒は好きですが、会長もお強い!
ならば、取材という名目で飲み明かしましょう!
と、いうことで、一晩、お世話になってきました。
思えば会長とは、祝賀会などの席で飲んでいるので、旅館の中で飲むのは初めてなのであります。
外では “会長” でも、旅館では “主人” であります。
そんな明治初期から代々続く老舗旅館のご主人から、直々に酌を差していただきました。
それも、「法師温泉 長寿館」 と名前の入ったオリジナルラベルが貼られた純米吟醸酒であります。
「う、う、うま~い! やっぱり主人が飲兵衛だと出す酒も美味しいですね」 と僕。
「そりゃ、そうだよ。酒が飲めない主人のいる宿は、メーカーの言いなりになっちまうからな(笑)」 と主人。
なるほど、酒のうまい宿を探すなら、飲兵衛の主人のいる宿ということですね。
どれくらい飲み続けたのでしょうか・・・
「温泉あっての宿だ!」
「温泉を守るために宿はある!」
「温泉は戦いなんだよ!」
と、それはそれは熱い熱い温泉談義を交わし続けたのであります。
「一緒に戦って、群馬の温泉を守りましょう!」
と、酔っ払った2人は、これまた厚い厚い握手を交わしたのでした。
あれっ、外は雨か?
いや、法師川のせせらぐ音であります。
いい酒は、二日酔いなんてしませんね。
すっくと、目が覚めましたよ。
当然、体に残った酒気を抜くためにも、向かったのは、ご存知 「法師乃湯」 であります。
明治28年建築の鹿鳴館調の湯殿は、国の登録有形文化財に指定されています。
何よりも、全国でも1%未満しか存在しないという “足元湧出温泉” です。
まさに、奇跡の湯!
そして、全国に誇れる群馬の宝であります。
プク、プクプク ・・・
ポワン、ポワワ~ン ・・・
お尻から背中へ、生まれたばかりの湯玉が、僕の体をくすぐりながら湧き上がります。
これぞ、源泉ひとりじめ!
「ああ、温泉っていいなぁ~」
「群馬に生まれて良かったなぁ~」
と、至福の時を満喫したのであります。
Posted by 小暮 淳 at 17:53│Comments(0)
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