2012年08月26日
古湯は一日にして成らず
今日は午後より、けやきウォーク前橋2Fの前橋カルチャーセンターにて、来月から開講する野外温泉講座 『小暮淳と行く 湯けむり散歩』 の説明会を行ってきました。
先週、新聞の折り込みチラシや上毛新聞紙上で紹介されたこともあり、たくさんの人が来場してくださいました。
お暑い中、本当にありがとうございました。
今回の野外講座では、野沢温泉(長野県)、越後湯沢温泉(新潟県)、渋温泉(長野県)、法師温泉(群馬県) をめぐります。
では、4つの温泉地に共通することは?
ズバリ! “古湯” であるということです。
説明会では、古湯と呼ばれる昔から湯治場として栄えてきた温泉と、平成以降、平野部に雨後の筍(たけのこ) のように登場した日帰り温泉との違いについて、または、古い温泉地の湯は、どこが違うのか?
などを、お話をさせていただきました。
「古湯」 とは、基本的には奈良、平安時代からの開湯が伝わる “千年湯” と呼ばれる由緒正しい歴史と伝統を持つ温泉場のことをいいます。
でも、実際には、史実として文献等に登場するの江戸時代以降のことですから、僕は、個人的にですが、古湯は300年以上の歴史がある温泉としています。
ですから、今回の野外講座でめぐる4ヵ所の温泉地は、どこも開湯から 800~1300年以上の歴史を持った正真正銘の古湯と言えます。
よくされる質問に、「何百年と昔から湧いている温泉と、日帰り温泉の湯は、違うんですか?」 というのがあります。
とっても、いい質問だと思います。
どちらも温泉には違いありません。
しかし、僕は、似て非なる、まったくの別物だと考えています。
まず、300年以上の昔から湧き出ている温泉は、“自然湧出” です。
これに対して、平成以降に平野部に登場した日帰り温泉は、すべて掘削による “動力揚湯” です。
お湯自体が、自分の力で湧いているのか、無理やり汲み上げているのか、この違いは大きいはずです。
「でも、同じ温泉ですよね?」
と、それでも執拗(しつよう) に、詰問してくる人がいます。
そんなとき僕は、こんな例え話をしてさしあげます。
「何百年と続く老舗和菓子屋の大福と、スーパーやコンビニで売っている大手メーカーの大福との違いです」
それでも納得してくれない場合は、
「行列ができる手打ちラーメン店のラーメンと、カップラーメンの違いですよ」 と・・・。
どちらもラーメンには違いありません。
だから、「僕も、お腹が空いたときには、時々、カップラーメンだって食べますよ」 ってね。
今日は、そんな温泉の違いなどを話しながら、古湯の説明をしてきました。
おかげさまで、たくさんの人が申し込んでくださいましたが、まだバスの座席には余裕があるようです。
ぜひ、古湯めぐりに興味のある方は、センターまで問い合わせてみてください。
温泉めぐり&健康ウォーク
『小暮淳と行く 湯けむり散歩』
●温泉地 9月18日(火) 野沢温泉
10月16日(火) 越後湯沢温泉
11月20日(火) 渋温泉
12月18日(火) 法師温泉
●出発地 けやきウォーク前橋 駐車場
午前8時30分 出発(毎回)
●受講料 8,400円(4回分)
※バス代、昼食代、保険代は別途です。
●問合・申込 前橋カルチャーセンター
群馬県前橋市文京町2-1-1
けやきウォーク前橋2F
TEL.027-223-5121
Posted by 小暮 淳 at 20:56│Comments(0)
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