2013年02月08日
旅立て、R!
以前、このブログで、息子の留学費用が11万円足りないという話を書いたことを、覚えていますでしょうか?
※(2012年11月4日「貯金箱の中の夢」参照)
あの後、ほうぼうで 「ブログ読んでますよ。息子さん、留学するのにお金が足りないんですってね」 と声をかけられました。
なかには、「11万円なら、私がお貸ししましょうか?」 とまで言ってくださった殊勝な人もいました。
ありがたい話です。
でもね、息子は頑張りましたよ。
あれからアルバイトを頑張って頑張って、ついに11万円を自分で作りました!
※(いきさつについては、2013年1月9日「父からの詫び言」参照)
そして、本日。
自らの力で、オーストラリアへ旅立って行きました。
数日前のこと・・・
「8日は、何時に行くんだ?」
「前橋駅から12時20分の成田行きのバスに乗る」
「じゃあ、送ってってやるよ」
「仕事、大丈夫なの?」
親バカなんでしょうか。
出発日が知らされた何カ月も前から、その日は仕事を入れずにおいてあったのです。
そして、今日・・・
朝、起きると、すでに家内は仕事へ、次女は学校へ行っていませんでした。
いつもは昼近くまで寝ている息子が、リビングで1人、何やらプリントとにらめっこをしています。
「おはよう。早いな?」
と声をかけると、
「ああ、目が覚めちゃった」
と緊張をしている様子。
「何しているんだ?」
と問えば、
「うん、持ち物のチェック」
と言う。
しかも、キャリーバッグを開けたり締めたり、何度も何度も同じことを繰り返しています。
誰に似たのか、小さい頃から神経質なところがある子なんです。
「パスポートと現金があれば、あとはなんとかなる。向こうへ行ってから買えばいいんだよ」
と、ついついおせっかいなことを言ってしまう僕。
「ああ、そうするよ」
と返事をしてからも、また最初からチェックをしなおしている姿に、いとおしささえ感じてしまいました。
永遠の別れでもないのに、なぜか、息子の小さい頃の姿が次から次へと浮かんで来るのです。
長女の後を泣きながら付いて回っていた、あのチビのR(息子の名前) が、よくぞ、ここまで大きくなってくれた……
と、僕もただの人の親なんですね。
気が付いたら、息子を助手席に乗せた車のなかで、不覚にも目頭が熱くなってしまいました。
「じゃあ、行って来る」
そう言って、バタンと車のドアを閉めたとき、言い知れぬ寂寞感に包まれました。
通りを渡り、駅へと向かう息子の後ろ姿に、「行って来い」 と声にならない言葉をかけるのが精一杯でした。
♪旅立てジャック 自由には地図がない
旅立てジャック 靴には羽がない
だけどジャック 心には道がある♪
by 吉田拓郎 『旅立てジャック』 より
Posted by 小暮 淳 at 20:32│Comments(0)
│つれづれ