2013年04月08日
我は神の子②「奉献御祭禮」
午前5時50分
11人の選ばれし神の子が、北風の吹きすさぶ神社の境内に集いました。
今日から3日間は、僕の暮らす町の “春の大祭” であります。
そして僕は、今年1年間は、神に仕える氏子代表として 「年番」 を仰せつかりました。
※(年番についての詳細は、2013年2月1日「我は神の子なり」参照)
町内には、2つの神社があります。
北にある 「石神(しゃくじ)様」 と南にある 「お稲荷様」。
どちらも無人の小さな神社です。
地元では、石神様のことは “上神様” といい、お稲荷様のことは “下神様” と呼んでいます。
今日は大祭ですから、両方の神社にのぼり旗を揚げます。
「おーい、もっと北に引いてくれ!」
「ダメダメ、東に寄り過ぎだ!」
と、10メートル以上もある木柱を全員で担ぎ上げて、2本ずつ立てました。
風にひるがえる巨大な白旗に描かれている文字は、
奉 献 御 祭 禮
午前11時
ふたたび、11人の氏子たちは公民館に集いました。
これより神主を招いて、いよいよ神様を迎える儀礼を行います。
大根や人参の根菜類。
リンゴやミカンの果実。
米、塩、酒・・・
僕の担当は、サンマの尾頭です。
公民館から下神様と上神様まで、お皿にのせた供物を落とさないように持って歩きます。
「ご低頭ください」
お払いの後、 神主が祝詞(のりと) を読み上げます。
玉ぐしの奉納、二礼二拍手一礼と、氏子たちも神様にあいさつをします。
最後は、お神酒をいただきました。
と、堅苦しい儀式は、ここまでです。
公民館にもどった氏子一行は、とどこおりなく神事が行われたことを祝い、酒盛りのはじまりはじまり~!
「いいですね、昼間っから酒が飲めて」
と僕が言えば、
「あたりめぇよ、仕事なんてしていられるか!今日は祭りだぞ!」
と、長老からのありがたい言葉をいただきながら、平日の真っ昼間から熱燗の徳利が飛び交うのであります。
「小暮さんも今日は仕事を休んだんですか?」
と、昨年この町に引っ越して来たばかりの若い氏子が、勝手が分からず驚いた様子。
無理もありませんよね。
僕だって18年前に、この地に移り住んだときは、面食らうことばかりでしたもの。
でも、“郷に入っては郷に従う”“住めば都” なのであります。
「ま、キミもじきに慣れるよ。仕事と神様と、どっらが大切かっていうことさ」
「ええ、最初はビックリしましたけど、分かるような気がします」
午後2時。
すっかりできあがってしまい、千鳥足にて家路をたどりましたとさ。
我は、神の子なり!
Posted by 小暮 淳 at 18:46│Comments(0)
│つれづれ