2013年05月13日
それぞれの母へ
若い頃のこと。
外国には、自分の誕生日に、母親に花束を贈る習慣があるという話を聞いて、えらく感動したことがありました。
「母さん、ぼくを生んでくれてありがとう」
との言葉を添えるんだそうです。
一度だけ、真似て、オフクロに花を贈ったら、
「お前、大丈夫か? 熱でもあるんじゃないの?」
と、喜ぶより、心配されてしまったので、それ以降、そんなキザな真似はしていません。
やっぱり、日本人には、日本人に合った親孝行でないと、続きませんね。
昨日は、日本全国 「母の日」でした。
みなさんは、どんな 「母の日」 を過ごしましたか?
我が家の場合。
家内は自分の実家へ、僕は僕の実家へ、それぞれの母親に、それぞれのプレゼントを持って行ってきました。
家内は、化粧品だったようです。
いいですね、女性は。
こんなとき、ちゃんと実用的なプレゼントを選べるんですから。
僕ですか?
ダメです、男は。
まったくもって、気の効いた発想が浮かんできません。
“花束” は、当然、トラウマになっているので選ぶわけがありません。
こんなときは、悩まず、安易に、“食い物” を持っていくのが無難であります。
と、いうことで、オフクロの好物の和菓子を手土産に、実家へ・・・
ところが!
実家に行ってみると、大変なことに!
駐車場にアニキの車がないのに、オフクロは、いません。
オヤジが、たった1人で、ボーっと中庭を眺めています。
「あれ、ばあちゃんは?」
「しらん」
「アニキは、どうしたんだい?」
「しらん」
おおおおーーーーっ!?
ついに、目に余るボケ老人ぶりにイヤ気がさして、妻と長男は逃げ出したのか!?
かわいそうにな、じいさん。
家族に、捨てられちまったんかい。
でも、持つべきものは、次男だぜよ。
じいさん、大丈夫だ。
妻と長男に愛想をつかされても、オレがいるから安心しなよ・・・
なーんて、2人で途方に暮れていると、アニキが帰ってきた。
「おっ、ジュン、来てたのか?」
「来てたのかじゃないよ、オヤジを1人にして!」
「ほんのちょっとの間じゃないか、オヤジだって承知しているんだ。留守番くらいしてもらわなくっちゃ、こまるよ」
これ以上、言い合いをするのは止めた。
結局、最後はアニキに 「だったらオヤジを、お前んちへ連れてってくれ!」 と言われてしまうのが、いつものオチだもの。
アニキには、感謝しています。
結局、オフクロは老人会の集まりに行っていて不在。
手土産の和菓子は、オヤジに見つからないように、仏壇に供えて帰ってきました。
その夜。夕げの食卓にて・・・
「食後にケーキがあるから、ごはん少なめによそっておきました」
と家内。
「えっ、ケーキがあるの?」
と、問えば、
「ムフフフフ ……」
と、ふくみ笑う家内。
なんでも、息子が 「母の日」 ということで、買ってきてくれたようです。
「本当は全部、私のものだけどね。ま、おとうさんにも、分けてあげるわ」
と、うれしそうであります。
おい、息子!
来月の 「父の日」 を忘れるなよ!
Posted by 小暮 淳 at 18:40│Comments(0)
│つれづれ