2013年05月29日
白根温泉 「加羅倉館」③
昨日、約2年ぶりに、白根温泉の一軒宿 「加羅倉館(からくらかん)」 へ行ってきました。
と、いっても、取材ではありません。
僕が講師を務める、NHK文化センターの温泉講座 『群馬の名湯・秘湯をめぐる』 の5月講座として、受講生らとバスで訪ねてきました。
“白根” と聞くと、どうしても草津白根山を思い浮かべる人が多いようです。
現に、昨日も、「先生、今日は草津方面の温泉ですか?」 と勘違いしている生徒さんがいました。
無理もありませんね。
県内でも、なかなかマニアックな温泉ですから、一般の人は、こんな講座で行かない限りは知るよしもありませんって。
で、白根温泉の “白根” とは、日光白根山のこと。
「加羅倉館」 の “カラクラ” とは、日光白根山系の加羅倉尾根のことであります。
宿は、この尾根のふもとを流れる大滝川沿いにあります。
白根温泉の開湯は古く、すでに江戸時代には湯治場として栄えていました。
かの放浪の歌人、若山牧水が大正時代に訪れたことは有名で、著書の紀行文 『みなかみ紀行』(大正13年) では、最後に訪ねた上州の温泉として記載されています。
当時は、まだ数軒の木賃宿があったようですが、現在は昭和5年創業の 「加羅倉館」 ただ1軒となっています。
「みなさ~ん、いいですか! まず着いたら、川と道路をはさんだ宿の対岸にある浴室棟を見てくださいね~! 半分が地面に埋まっている “半地下構造” になっています。これは、かつて、ここが競走馬の温泉治療場だった頃の、名残なんですよ」
とかなんとか、講師っぽく、説明をしながら全員で浴室へ。
湯は、けれんみのない生真面目な弱アルカリ性の単純温泉。
毎分600リットルという豊富な源泉が、ドボドボと掛け流されています。
一見、うたせ湯に見える、壁の上方から落ちている湯の滝は、湯口です。
うっかり触れると、やけどをしてしまいすまから、注意!
実は、これは、腕のいい湯守のいる証拠なんです。
源泉の湧出地より、浴槽のほうが低い位置にあるんですね。
だから、高い所から滝のように源泉が、浴槽へ注ぎ込まれているんです。
で、特筆すべきは、すべての給湯に、動力を使っていないということ!
保有している源泉の数は、13本。
なのに使用している源泉は、たったの4本です。
1本は男風呂、1本は女風呂、1本は厨房(ちゅうぼう)。
で、もう1本はというと・・・
これが、なんと、シャワーなのであります。
シャワーに源泉が使われている温泉宿というのは、群馬広しといえども、大変珍しいことです。
し、し、しかも!
一切の動力を使わずに、圧力を加えるだけで浴室まで給湯しているという妙技!
あっぱれ!であります。
帰りには、大滝川に架かる橋の上から、ご主人の入澤眞一さんと、奥様の澄子さんが、僕たち一行を見送ってくださいました。
ありがとうございます。
また、今度は、取材で伺いますね。
そのときは泊まりますので、ぜひ、また一緒に酒を酌み交わしましょう。
それまで、お元気で!
Posted by 小暮 淳 at 12:54│Comments(2)
│温泉地・旅館
この記事へのコメント
とっても気持ちのよいいいお湯でした。湯温も熱好きの私には適温でいい気持ちでした。次回はお泊りがいいですね。
Posted by しをちゃん at 2013年05月30日 11:24
しをちゃんへ
毎回、元気に受講していただき、ありがとうございます。
やや熱めの白根温泉、上乃湯源泉。
マッチョなイケメン系の湯は、クールでありながら力強い包容感があります。
十二分に堪能できたことでしょう!
来月は、西上州を代表する霊験あらたかな薬湯へ行きます。
また、元気にお会いしましょう!
毎回、元気に受講していただき、ありがとうございます。
やや熱めの白根温泉、上乃湯源泉。
マッチョなイケメン系の湯は、クールでありながら力強い包容感があります。
十二分に堪能できたことでしょう!
来月は、西上州を代表する霊験あらたかな薬湯へ行きます。
また、元気にお会いしましょう!
Posted by 小暮 at 2013年05月30日 17:24