2013年07月03日
塩ノ沢温泉 「やまびこ荘」②
“温泉は生きている”
つくづく、そう感じます。
2年前の大震災以降、湯量が突然増えた温泉。減った温泉。
温度が下がった温泉。逆に熱くなった温泉。
経営者たちの心情も、悲喜こもごも・・・
温泉は生きているんですね。
昨日、群馬県上野村にある塩ノ沢温泉の一軒宿 「やまびこ荘」 を訪ねてきました。
最後に行ったのは、NHK文化センターの温泉講座でしたから、もう、かれこれ3年前になります。
3年経てば、温泉や宿の事情が、変わっていても不思議はありません。
経営母体は同じでしたが、「国民宿舎」 では、なくなっていました。
支配人も替わり、従業員も替わり、すっかり、リニューアルされていました。
※(建物は、そのままです)
新しいスタッフに話を聞く前に、とにもかくにも、まずは、温泉をいただくことに!
カメラマン同伴ですから、撮影も兼ねています。
内風呂と露天風呂と洞窟風呂とサウナ。
3年前と、浴室は変わっていません。
でも、僕は湯舟に浸かった途端、 「あれ?」 っと一瞬、違和感を受けました。
<以前より、サラリとしている>
<湯が軽くなったような感じ>
と・・・
案の定、湯上がりに最新の温泉分析書を見せてもらうと、泉質自体が変わっていたのです。
以前は、含鉄・二酸化炭素-ナトリウム-カルシウム-塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉でした。
かなり、ややこしい泉質名ですが、旧温泉名でいえば、食塩泉の部類です。
塩分を多く含んでいて、なめると塩辛く、保温効果があるため 「あたたまりの湯」 とも呼ばれる温泉でした。
でも、最新の分析書では、塩分の含有量が減少し、メタほう酸や炭酸水素ナトリウム(重炭酸ソーダ) を含む温泉として、登録を受けています。
う~ん、遠からず、僕の浴感は当たっていたようですね。
やっぱり、“温泉は生きている” んです!
2004年、夏。
長野県の某温泉地が、入浴剤を投入していたという週刊誌のスクープ記事から火がついた全国の温泉偽装問題は、まだ記憶に新しいことでしょう。
この騒動を機に、それまで、おざなりになっていた温泉分析書等の掲示が義務づけられ、源泉の検査も10年ごとに実施されることになりました。
よって、現在では、どこの温泉にも、ここ数年以内に検査した新しい分析書が開示されているはずです。
ぜひ、みなさんも、以前行ったことのある温泉に、もう一度、足を運んでみてください。
そして、自分の目と肌で、湯に変化がないか、どうか、確かめてみてください。
“温泉は生きている”
って、実感するかもしれませんよ!
Posted by 小暮 淳 at 17:14│Comments(0)
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