2013年08月28日
万座温泉 「万座ホテル聚楽」
久しぶりに万座温泉へ行ってきました。
万座温泉には10軒ほどの温泉宿がありますが、今回は 「万座ホテル聚楽(じゅらく) 」へ。
僕にとっては3回目の訪問になりますが、とても思い出のある宿なんです。
今から15年ほど前のこと。
当時、生活情報誌の編集長をしていた僕は、支配人のご厚意により、家族で夏休みを過ごしました。
嫁いだ長女も大学生の息子も、まだ小学生。
一緒に昆虫を追いかけたり、夜遅くまでゲームをしたり、それはそれは楽しいひと時を過ごしました。
だから僕にとって万座ホテル聚楽は、温泉ライターとしてではなく、父親としての想い出がよみがえる宿なんです。
2回目に訪ねたのは、雑誌の取材でした。
すでに支配人は転任されていたので、ご挨拶もお礼も言えず、ただ取材に専念してきました。
で、今回は、僕が講師を務めるNHK文化センターの温泉講座での訪問となりました。
実は、この講座で万座温泉を訪ねるのは2度目なんです。
2年前の1月に、極寒の露天風呂を堪能しに、「日進館」 を訪ねました。
この時は猛吹雪で、受講生らとともに露天風呂で、雪ダルマになりながら入浴した楽しい(?) 想い出があります。
一転して、今回は、抜けるような青空がひろがる晩夏の高原。
いえいえ、標高1,800メートルの高地は、もう、初秋の気配です。
バスの車窓からは、風に揺れるススキの穂が見えましたもの。
「せんせー! 来て来て。ここから、よーく見えますよ」
と、浴室へ向かう途中にあるテラスから受講生たちが僕を呼びました。
「うわ~! これが “空吹(からぶき)” ですね」
「万座温泉には来たことあるのに、初めて見ましたよ」
と、みなさん、感動しきりの様子。
実は今回、僕が2度目の万座温泉に 「万座ホテル聚楽」 を選んだのも、この “空吹” を受講生たちに見せてあげたかったからなんです。
空吹とは、噴火口跡から雨水や地下水が水蒸気となって硫化水素ガスとともに噴出している光景で、万座温泉の名物であります。
他の宿からも見えますが、空吹に一番近い宿が 「万座ホテル聚楽」 なんですね。
しかも、露天風呂に入りながら空吹を眺められるという、絶好のロケーションを持ち合わせています。
湯は、万座温泉独特の腐卵臭のする硫黄泉。
泉温約46度という上質な自家源泉が、加水されることなく、かけ流されています。
色は、青空を溶かして、ミルクと混ぜたような白濁したエメラルドグリーン。
もう、みなさん、大満足されていましたよ。
「あら、先生! もう、始めているんですか?」
と、湯上がりに先ほどのテラスでビールを飲んでいると、次々に受講生たちが、涼みにやって来ました。
「もちろん! いい温泉に、いい景色。湯上がりにビールを飲むのも、正しい温泉の楽しみ方ですよ」
と言えば、
「まったくだ、では私もご一緒しましょう」
と、至福の湯上がりビールを、みんなでいただいたのであります。
めでたし、めでたし。
来月は、知る人ぞ知る群馬の秘湯を訪ねます。
また、元気にお会いしましょうね!
Posted by 小暮 淳 at 11:23│Comments(0)
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