2013年09月10日
おもしろい仕事 つまらない仕事
“好きなことを仕事にするのは難しい”
テレビCMのナレーションに、違和感を抱きました。
なぬ?
て、いうことは、逆もまた真なりということなのか?
“嫌いなことを仕事にするのは簡単”
て、いうことですかね。
?????
一瞬、僕の思考回路が、フリーズしてしまいました。
たぶん、「あこがれ」 や 「夢」 ことを言っているのだと思います。
歌が好きだから歌手になりたい、絵が好きだから画家になりたい、スポーツが好きだからプロ野球やJリーグの選手になりたい・・・
でも、それには “才能” も “努力” も “運” も必要だ。
だから、「好きなことを仕事にするのは難しい」 という発想のようです。
確かに、世の中には、“才能”や“運”を味方につけないと、絶対に成れないという職業があります。
でも、それは全体の職業からみたら、ほんのひとつまみです。
たいがいの仕事は、努力次第でなんとかなるものです。
で、その “努力” が、できるか、できないか、を左右するものが、「好きか」「嫌いか」 だと思うのです。
だって、同じ努力でも、「楽しいか」「つまらないか」 では、天地の差がありますからね。
もっと言えば、その努力が、「面白いか」「苦痛か」 くらいの違いがあります。
もう、ずいぶんと昔のことです。
僕がタウン誌の編集をしていた時に、読者からこんなハガキが届きました。
<今の仕事が面白くありません。辞めて、違う仕事に就きたいのですが、自分が何になりたいのかが分かりません。>
実にシンプルな悩み相談です。
そして、この相談事が誌面に掲載されると、今度は別の読者から、こんなハガキが来ました。
<仕事が面白くないなんて、バカじゃないの。世の中に面白い仕事なんてありません。面白くないから仕事なんです。>
これには、編集部のスタッフ全員が、面食らってしまいました。
“面白くないから仕事なんだ”
と言い切ってしまうこの人は、なんのために生きているのだろうか?と・・・
僕は、父親から 「自分の好きな仕事に就け」 と言われて育ちました。
また僕も、自分の子どもたちには、同じ事を言って育てました。
それは、なぜか?
それは、人生において、睡眠時間以上に長い時間を費やしているのが、仕事だからです。
言い換えれば、仕事が面白くなければ、その人の人生自体が、つまらない人生になってしまうのです。
人は、ついつい、自分の仕事の評価を、お金で換算してしまいます。
「面白くないけど・・・」「楽しくないけど・・・」
もらえるお金が多ければ “満足” として、少なければ “不満” とします。
しかし、それでは、一向に人生は改善されません。
きっと、ハガキをくれた読者も、この矛盾の中で仕事をしていたのかもしれませんね。
やっぱり僕は、
“好きなことを仕事にするのは楽しい”
と思いながら生きていたいと思うのです。
Posted by 小暮 淳 at 21:16│Comments(0)
│つれづれ