2014年04月13日
はみだす個性
昨年、大ヒットしたテレビドラマ 『半沢直樹』 で、主人公の同期、近藤役を演じた俳優の滝藤賢一さん。
不器用ながらも職務に誠実に向き合う銀行マンの姿に、思わず目頭を熱くしたものです。
“顔芸” ともいえる名演技に、魅了されました。
彼は、とても下積み時代が長かった苦労人なんですね。
あの “俳優養成所の東大” とも称される名優、仲代達矢主宰の「無名塾」 出身で、とことん役者道を叩き込まれたそうです。
先日、新聞のインタビュー記事で、当時の下積み時代のことを、このように話していました。
「ガッツリ型にはめてみて、それでもはみ出すものが “個性” だと教えられた」
彼は現在37歳。
すでに20代にして、その真実を仲代達矢氏から叩き込まれていたのですね。
そして見事、その意味を知ることのできる俳優になりました。
大したものです。
だって、僕なんて若い頃から長年 “個性” の意味を履き違えて生きてきましたからね。
人と違うことをすることが、個性。
変わった行動をとることが、個性。
突拍子もない、破天荒な生き方をすることが、個性。
でも、いつ頃からでしょうか。
「あれ、これって違うぞ!」 って、気づき出したんですよ。
40歳を過ぎたあたりからだと思います。
コツコツと地道に生きている人に魅力を感じたり、一見ふつうに生きているんだけど実はすごい能力の持ち主だったり、“目には見えない”オリジナリティーを発見するようになりました。
実は、この変化には、きっかけがあります。
「『型破り』 という言葉は、武道や芸事の世界から出てきた言葉で、基本がしっかり身に付いた人にしかできない事なんです」
とテレビのトーク番組で、ある役者が言ったんです。
目からウロコであります。
“型” となる基本をマスターできて、初めて型を破ることができるということです。
滝藤さんが言った、まさに 「型にはめてみて、それでもはみ出すもの」 です。
あらためて、しかもこの歳になって、また教えられました。
でも “型” って、並大抵の努力じゃ破れませんよね!
精進、精進。
Posted by 小暮 淳 at 10:28│Comments(0)
│つれづれ