2014年09月24日
幡谷温泉 「ささの湯」②
温泉とは、見かけによらぬものである。
最初に、幡谷(はたや)温泉の一軒宿、「ささの湯」 を訪ねたとき、つくづく、そう思ったものでした。
群馬県利根郡片品村幡谷。
四方を山々に囲まれた深山幽谷の地。
赤い瓦屋根を乗せた民家のようなたたずまい。
看板さえ出ていなければ、こんなところに温泉が湧いているなんて、誰が想像できるでしょうか。
先週、片品村の取材の折に、「ささの湯」 に立ち寄ってきました。
理由は、露天風呂の撮影です。
実は僕、半年前に、本の取材で同湯を訪ねています。
が、そのときの季節は、冬!
露天風呂は、閉鎖されていました。
う~ん、この、湯を中心に考えた経営方針って、好きなんですね。
そもそも僕は内風呂派です。
露天風呂は、湯の鮮度のことを考えると、湯守(ゆもり)の精神にそぐわない無用の長物なのであります。
露天風呂とは、源泉の温度が高くて、湧出量が豊富な温泉にだけに与えられた “特別な浴槽” なのですから。
だから、冬期閉鎖をかたくなに守っている同湯は、湯守の精神にのっとっている温泉宿といえるのです。
いやいや、それにしても、相変わらず、すごい湯の量でした。
毎分260リットルの自家源泉から送り込まれる湯量は、ハンパじゃありません!
だって、L字型した浴槽の縁全体から、ザバーザバーと、まるでナイアガラの滝のように湯があふれ出ています。
(観光的には、東洋のナイアガラと称される “「吹割の滝」 のよう” と言うべきでしょうか)
「お見事!」
思わず、感嘆の声を上げてしまいました。
温泉は見かけによらぬもの、ですな。
※露天風呂の営業期間は、4月から11月までです。
Posted by 小暮 淳 at 11:32│Comments(0)
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