2014年11月03日
温川温泉 「目の湯」
「温川(ぬるがわ)温泉の一軒宿、白雲荘が閉まっている!?」 という情報が入ってきたのは、夏前でした。
えっ、だって、今年の4月に出版した 『新ぐんまの源泉一軒宿』(上毛新聞社) に掲載したばかりなのに~!
と、激震と動揺が体の中を駆け抜けたのでした。
すぐにオーナーに電話をして確認すると、
「経営を任せていた女将が病気で倒れたため休業中」 とのことでした。
そして、「再開のめどは立っていないが、露天風呂だけは日帰り入浴ができます」 と。
少しホッとしましたが、自分の目で確認して詳しい話を聞くまでは、心配でなりません。
と、いうことで、今日は朝から車を東吾妻町まで飛ばして、浅間隠(あさまかくし)温泉郷の1つ、温川温泉を訪ねてきました。
浅間隠温泉郷とは、薬師温泉と鳩ノ湯温泉と温川温泉の総称です。
すべて一軒宿ですが、温川温泉の白雲荘は、なかでも一番小さな宿でした。
湯の歴史は古く、江戸中期には発見されています。
眼病に効くことから 「目の湯」 と呼ばれ、親しまれてきた湯治場です。
「小暮さん、済みませんでしたね。せっかく本に載せていただいたのに、こんなことになってしまって」
と僕を出迎えてくれたオーナーのSさんとKさんの親子。
新聞や著書の取材で、大変お世話になったお母さんと娘さんです。
でも、閉鎖している旅館の玄関と、日帰り入浴を受け付けている露天風呂前の店には、しっかり僕の著書ポスターが貼られていました。
「いえいえ、心配しましたが、事情を聞いて安心しましたよ」
と、2人の笑顔を見て安堵しました。
現在、再建に向けて動いているとのことで、安心したら、急に温泉に入りたくなってしまいました。
「では、湯をもらいます」
と言うと、
「旅館のほうの給湯管を止めたら、温泉の色が変わったんですよ」
ですと!
なんでも、黄色い湯の花が浮くようになったとのこと。
これは、ますます楽しみです。
と、いうことで、1人で浴室へ。
他に客はいませんから、 “源泉ひとりじめ” 状態です。
サッシで仕切られている半露天風呂でが、すべて開け放ち完全なる露天風呂にして、いざ、入湯!
ん~~、熱からずぬるからず、ちょうど良い温度です。
オーナーのいうように、確かに浮遊物があり、うっすらと湯はカーキ色をしています。
なんだか、以前より効能がありそうで、いいじゃありませんか!
湯舟の正面では、真っ赤に染まったモミジの葉がそよぐ風に揺れています。
深まる秋の景色を眺めながら、極上の湯浴みを楽しんできました。
白雲荘の再開を楽しみにしています。
Posted by 小暮 淳 at 20:12│Comments(0)
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