2014年11月30日
血が騒ぐ
「そりぁ~、東宮(とうみや) の血だな!」
我が一族では、芸術や文学の道を志す者が現れると、必ず口をそろえて、こう言うのです。
“東宮” とは、東宮家のこと。
僕の父方の祖母も、母方の祖母も、旧姓を東宮といいます。
だから僕の体の中には、“小暮” の血よりも “東宮” の血のほうが、多く流れているのです。
※(ルーツについては、当ブログの2012年4月22日「赤城温泉 赤城温泉ホテル⑤」を参照)
歴上の人物では、「満蒙開拓移民の父」 と呼ばれた陸軍大佐の東宮鉄男(かねお) がいます。
また詩人の東宮七男(かずお)<1897~1988> は、鉄男の従弟にあたります。
で、七男の次男が、昨年他界した画家の東宮不二夫<1926~2013>であります。
不二夫は、僕のオヤジの従弟にあたります。
今日は、現在開催中の 『東宮不二夫 遺作展』 に行って来ました。
生前、まだ不二夫さんが元気だった頃は、父と連れ立って個展会場へ行ったものです。
でも今日は、僕一人。
そして会場にも、不二夫さんの姿はありません。
遺影と遺族が、来場者を出迎えていました。
シベリヤ抑留の経験を持つ画家の作品には、根底に “反戦” の色をにじませています。
<若い兵士が殺し合うのだ
戦争というのは
はじまれば
とどまるところ知らずではないか
残虐な殺人鬼となる善良な兵士たち
きれいな
見通しのきく戦争などありゃしないのだ
戦争というのはすべて
汚いものなのだ>
これは、東宮不二夫詩集 『激怒考』(2003年、煥乎堂) の中の 「イラク空爆」 の一節です。
画家として、詩人として生きた87年間・・・
絵を観ていると、沸々と一族の血が騒ぐのでした。
『東宮不二夫 遺作展』
●会期 2014年11月29日(土)~12月3日(水)
●会場 ノイエス朝日
前橋市元総社町73-5 TEL.027-255-3434
Posted by 小暮 淳 at 20:10│Comments(0)
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