2014年12月06日
尾瀬戸倉温泉 「温泉やど 四季亭」
♪降り積もる雪雪雪 また雪よ~
戸倉には七つの雪が降るとか~
こな雪つぶ雪わた雪ざらめ雪~
みず雪かた雪 春待つ氷雪~♪
なんて、新沼謙二の 『津軽恋女』 の替え歌なんか、歌っちゃったりして。
雪の降りしきる国道401号を、北上したのであります。
片品村、最北の温泉地 「尾瀬戸倉温泉」。
今週から、この温泉地に入り込んで、取材活動を続けています。
で、昨晩は、女将さんのご厚意により、「温泉やど 四季亭」 に泊めていただきました。
「うーーー、寒い! 女将さんの言うとおり、本当に雪になってしまいましたね」
宿に着くなり、ストーブに手をかざす僕。
事前に連絡を取った際に、女将さんから
「雪になるかも知れませんから、お気をつけてお越しくださいね」
と言われていたのでした。
こんな日は、温泉が何よりのご褒美であります。
でもね、温泉よりもあったかいモノって、分かりますか?
そう、“人” のぬくもりです。
四季亭は、わずか5部屋の小さな温泉宿。
そして、宿を切り盛りしているのは、女将の萩原美代子さんと娘の沙紀さん親子。
たった2人で、やっている “おもてなし” の宿なんです。
開業は、平成11年。
親戚がやっていた宿を、引き継いだといいます。
それまで女将は、ご主人の両親がやっていた土産物屋と弁当屋を手伝っていました。
「お義母さんの勧めと援助で、やってこれた宿なんですよ。その義母も4年前に他界し、義父も昨年亡くなりました」
ご主人は勤め人のため、残った母娘で宿を守り継いでいます。
とにもかくにも、まずは温泉です。
小さい宿ですから、浴室も1つ。
使う人によって、「男性風呂」「女性風呂」「貸切風呂」 の札を使い分けます。
大切な温泉を大切に利用している、その湯守心が気に入りました。
尾瀬戸倉温泉には、3本の源泉が湧いています。
どれもアルカリ性の高い温泉ですが、中でも、こちらに引かれている「戸倉温泉 尾瀬の湯」源泉は、pH10.1 という最強アルカリ性泉。
それはそれは、トロントロンのツルツル、スベスベの湯であります。
冷えた体は、ポッカポカ!
湯上がりにいただいた、生ビールの美味しいこと!
何よりも、母娘による手づくりの家庭料理は、涙モノでありました。
煮物も焼き物も揚げ物も、地の食材を使った素朴な味。
締めにいただいた 「舞茸ごはん」 は、弁当屋時代に義母さんが考案した人気の商品とのこと。
尾瀬へ向かう登山客に長年、愛され続けた味だったのです。
「今でも当時のファンが、わざわざ、この味恋しさに泊まりにやって来てくださいます」
湯良し、人良し、味良し!
窓の外にシンシンと降り続ける雪を見ながら、昨晩も美酒に酔いしれたのであります。
Posted by 小暮 淳 at 18:10│Comments(0)
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