2015年09月16日
磯部温泉 「見晴館」
う~ん、嫌いじゃないんですねぇ……。
いえ、はっきり言って、好きなんです。
こういう、小さな宿。
風情があって、落ち着いていて、まさに “旅の宿” を感じます。
温泉街から一本道をへだてた高台の石畳。
入口には、“旅籠や” の文字。
佇まいも、玄関も、ロビーもこじんまりしていますが、清潔感があり、コンパクトにまとまっています。
客室は2階に、わずか10部屋。
広さも10畳ほどですが、「見晴館」 の名にふさわしく格子窓越しに温泉街を望み、なんとも旅情に満ちています。
いえね、僕が部屋に入って、真っ先に気に入ってしまったのは、広縁なんです。
最近の旅館やホテルは、これがないところも多いんですよ。
昭和の頃の旅館には、必ずありました。
小さな宿ですから、広縁も広くありません。
それでもトイレと洗面所の間に、小さいながら丸テーブルとイスが2脚置かれています。
障子窓を開けると、たった今歩いてきた石畳の道が見下ろせます。
「ああ、気に入っちゃった! ここでビールが飲みたいなぁ~」
と開口一番、本音をもらす僕。
するとカメラマン氏が、
「久しぶりに、撮りましょうか?」
と、冷蔵庫から瓶ビールを取り出してきました。
“久しぶり” というのは、かつて同じロケーションで撮影したことがあるからです。
あの時も、石畳の温泉街を眺めながら、ビールを飲みました。
※(拙著 『みなかみ18湯』下巻のP92を参照)
ということで、2年ぶりに広縁でビールを飲むシーンを撮影しました。
とにかく居心地の良い宿なんです。
小さい宿というのは、浴室へ行くにも、食事処へ行くにも、動線に無駄がなくていいですね。
また、その館内をきびきびと動き回っているご主人や女将さんの姿にも、とっても好感がもてました。
もちろん、夜は名物の「ふわふわ豆腐鍋」 を存分に堪能。
そのフワフワで、トロトロの食感は、クセになりそう。
溶け出した豆腐のスープも、最後の一滴まで残さずにいただきましたよ。
群馬には素敵な宿が、まだまだたくさんありますね。
Posted by 小暮 淳 at 18:28│Comments(0)
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