2016年06月24日
伊香保温泉 「塚越屋七兵衛」
伊香保温泉は、坂の多い街です。
中心街を東西に通る県道(通称:一文字通り) を境に、すべての脇道は、南に “上り坂”、北に “下り坂” となります。
いったい、いくつの坂道があるのか分りませんが、名の付いた坂道には、たいがい有名旅館が立ち並んでいます。
一文字通りの北、石段街の手前に、「かみなり坂」 という長い下り坂があります。
なんともユニークなネーミングですが、その昔、このあたり一帯を 「雷(らい) の塚」 と言ったことから名づけられたようです。
地元の人の話では、雷様の通り道で、とても雷の多い土地とのことでした。
そのせいか、この通りにある旅館には必ずといっていいほど、鬼(雷様) の置物が置かれています。
かみなり坂を下って、最初の旅館が 「塚越屋七兵衛」 です。
「あれ、そこは、ガーデンじゃねぇ?」
と思った人、かなりの伊香保通であります。
確かに以前は、「ホテル伊香保ガーデン」 と名乗っていました。
「じゃあ、つぶれて、経営者が変わったんだ」
と思った人もいるかもしれませんが、それは違います。
前の屋号に戻しただけなんです。
「塚越屋七兵衛」 の創業は、文久年間(1861~1864) の江戸末期といいますから、創業は今年で152年になります。
石段街で 「塚越旅館」 として開業されました。
昭和38年(1963) に、現在の場所に新館 「伊香保ガーデン」 が建設されました。
同42年、旧館の「塚越旅館」 が廃業。
そして平成16年、創業者の名である 「塚越屋七兵衛」 に屋号が変更されました。
現在の女将、塚越左知子さんで6代目になります。
昨晩は、女将のご厚意により泊めていただきました。
さて、ここで問題です。
ここの湯の色は、何色でしょうか?
ヒントは、150年の歴史がある石段街で創業した旅館です。
以前も書きましたので、温泉フォンの読者は、すぐに分りますよね。
正解は 「黄褐色」 です。
伊香保温泉には、「黄金(こがね) の湯」 と 「白銀(しろがね) の湯」 という2種類の源泉が湧いていますが、透明の 「白銀の湯」 は平成になってから湧いた新しい源泉です。
しかも、昔から湧いている「黄金の湯」には、現在でも湯権制度がありますから、すべての旅館が源泉を引けるわけではありません。
同館は、現在9軒ある源泉所有者の1軒であります。
ということで、夕食の前に、しっかりと黄金の湯を浴(あ)んできました。
温度の高い “あつ湯” と、低めの “ぬる湯” の2層式になった浴槽は、申し分ない構造です。
あつ湯と、ぬる湯を交互に入りながら、改めて伊香保の湯の素晴らしさを実感しました。
結局、夕食の時間まで我慢できずに、湯上がりにラウンジで生ビールをいただいてしまいました。
いつものことですが……(苦笑)
Posted by 小暮 淳 at 18:47│Comments(0)
│温泉地・旅館