2016年07月20日
伊香保温泉 「いかほ 秀水園」
こんな話を知っていますか?
昔々、500年以上前の室町時代のこと。
茂林寺(群馬県館林市) を開山した正通和尚が、榛名山のふもとの伊香保を一人旅していると、小脇に茶釜を抱えた坊さんと出会い、寺へ連れて帰りました。
彼は守鶴(しゅかく)和尚と呼ばれ、茶釜は福を分けることから 「分福茶釜」 と呼ばれるようになりました。
これは、有名な昔話の前世物語です。
後に、この話が元となり、茶釜に化けたタヌキが芸をするおとぎ話が生まれました。
宿に着くと、駐車場から玄関、ロビーへのすがら、茂林寺よろしく信楽焼きの大きなタヌキ像に出迎えられました。
なんで伊香保でタヌキなんだろう?
一瞬、そう思いましたが、すぐに僕は前世物語を思い出しました。
以前、取材で分福茶釜のルーツを追いかけたことがあったのです。
茶釜をあやつる守鶴和尚は、どこから伊香保へ来たのか?
調べると、吾妻郡東吾妻町に青竜寺という寺がありました。
そこには四角い顔をしていたため、四角和尚と呼ばれていた男がいました。
彼は茶釜で茶を沸かして飲むのが好きで、仕事をサボってばかりいたため、寺を追い出されてしまいます。
その時に唯一、持って出たのが茶釜でした。
これは取材後に分ったことですが、茂林寺の正式名は、なんと!青竜山茂林寺。
これは、偶然でしょうか?
そして、“四角和尚” と “守鶴和尚”
2人は、同一人物だったようです。
「よく、ご存知ですね。その逸話にあやかって、館内には招福狸が10体いるんですよ」
と3代目若女将の飯野由希子さん。
ということで、昨晩は “タヌキ探し” の一夜となりました。
元気狸、美人狸、アベック狸、長寿狸……
なかにはマイクを持ってカラオケを歌う芸能狸なんていうのもいたりして。
結局、10体すべてを見つけることはできませんでした。
というのも、いつものように湯上がりに酔っ払ってしまって、途中で探す気力を失ってしまったのであります。
10体すべてのタヌキを探すと、宿から素敵なプレゼントがあるようですよ。
ぜひ、挑戦してみてくださいな!
Posted by 小暮 淳 at 16:25│Comments(0)
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