2016年10月28日
伊香保温泉 「旅邸 諧暢楼」
「1泊、じゅうまんえーん!!!!」
2008年1月、伊香保温泉に諧暢楼(かいちょうろう) がオープンした時には、業界は騒然としたものでした。
「1人10万円の部屋なんて、どんな人が泊まるのよ!?」
時代は、すでにバブルが去った後です。
ということは、バブル長者の成金客をターゲットとした宿ではなさそうです。
当時の諧暢楼を紹介した雑誌の記事では、「真の富裕層になってくると、景気の変化に左右されない。長期的な視点に立てば、こうした客層を獲得することが経営を安定させる上で、どれだけ有利に働くかは論ずるまでもないだろう」 と分析しています。
客室は8部屋、平均単価は10万円。
そんな旅館は全国的に見ても、ほとんどありません。
「どんな人が泊まるの? どんな部屋なの?」
温泉ライターとしては興味津々ですが、自腹で泊まれるわけがありません。
さりとて、一介のライターに取材の申し込みが来るわけがありません。
と、思っていたら、願いは念じていれば叶うものなのですね。
昨日、行ってきました!
それはそれは、貴重な体験をしてきました。
「10万円以上の部屋もあるんですか?」
「ええ、15万円以上の部屋もあります」
とマネージャーの須藤秀明さん。
「客層は、どんな方なのですか?」
「医者や会社社長、芸能人の方もいます」
当然のことですが、乗り付ける車もベンツやポルシェ、アウディなどの高級車ばかりのようで、中古の軽自動車を乗り回している貧乏ライターには、肩身が狭くなるような話ばかりで……。
「取材するからには、お風呂に入りたいのですが?」
恐る恐る訪ねると、
「少々お待ちください」
と席を立ち、しばらくして、
「清掃が終わった部屋がありますので、どうぞ」
と促がされ、庶民は決して入ることのない宮殿の中へ。
おお、おおおおおーーーっ!
何から何まで別世界であります。
部屋は広いし、調度品は高そうだし、インテリアもすべて有名デザイナーによるもののようで、ただただ、見惚れていました。
極めつけは、“羽毛の宝石” と呼ばれるアイダーダウンの寝具(僕には普通の羽毛布団に見えるのですが)。
なんと、1枚100万円以上するそうです。
きっと僕なんて、ヨダレで汚すんじゃないかと心配で、一晩中眠れないんじゃないかな。
そしてそして、庭園露天風呂へ。
ギェッ、でかい庭!
これが部屋に付いているんですか!?
よそには庭園露天風呂と名が付いていても、もっと小さな旅館があまたとありますよ。
撮影とはいえ、一瞬でも富豪になれたような錯覚に陥りました。
紅葉迫る景色をひとりじめしながら、うたかたの夢を見てまいりました。
PS
当然ではありますが、宿泊は本館の 「福一」 にお世話になりました。
Posted by 小暮 淳 at 15:09│Comments(0)
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