2017年09月28日
コラム 『湯治ふたたび』
毎日新聞社前橋支局長の山根浩二さんが、9月26日の全国版(夕刊) 社会面に、『湯治ふたたび』 と題したコラムを書いてくださいました。
とても素敵な内容だったので、全文をご紹介いたします。
『湯治ふたたび』
草津、伊香保、四万、みなかみ……群馬は全国に知れた名湯がそろう 「温泉県」 である。だが、浴衣の観光客がそぞろ歩く街だけが温泉ではない。
前橋市在住の温泉ライター、小暮淳さんによると、群馬には約100の温泉があるが、半数は一軒宿。かつてそれらの宿の多くが湯治客でにぎわった。
「昔の人は季節の変わり目や農作業で疲れがたまった時など、未病の段階で湯治に出かけた。良質な温泉で心身をリセットしたのです」 (小暮さん)
だが、今や街中の日帰り温泉施設などに押され、一軒宿の中には後継者不在や業績不振で廃業の危機にさらされている宿も少なくない。一軒宿が消えれば、その温泉名も消滅する。このため、小暮さんはNPO法人 「湯治乃邑(とうじのくに)」 を設立し、貴重な源泉を守るべく湯治場の再興に取り組んでいる。
「成分や分析値ではわからないが、入ってみれば誰にでもわかる──それがお湯の力です。その恵みを実感するには1週間程度の湯治がいい」 (同)
古来の湯治には及ばずとも、せめて2泊で出かけようか。 【山根浩二】
ありがとうございました。
Posted by 小暮 淳 at 14:02│Comments(0)
│湯治乃邑