2017年10月25日
片品温泉 「湯元 千代田館」②
昨日は、3年ぶりに片品温泉(群馬県利根郡片品村) の 「湯元 千代田」 を訪ねてきました。
といっても、取材ではありません。
温泉講座です。
僕は9年前からNHK文化センター前橋教室、野外温泉講座の講師をしています。
本年度も今月から後期の講座が始まりました。
受講生の入れ替えがあり、新入生が2名加わりました。
高崎駅と前橋駅を出発したバスは、秋の上州路を北へ走ります。
関越道、沼田ICを下りて、川場村から片品村へ。
紅葉も始まっていて、車窓は天然アートの世界です。
やがて目的地の片品温泉に。
現在片品温泉には、民宿やペンションも含めると約30軒ほどの宿があります。
でも、そのほとんどは戦後になり、尾瀬登山やスキーブームにのって、開業された宿がほとんどです。
源泉も、それに合わせて掘削されました。
そのなかで唯一、開湯100年の歴史を持つのが、「新井の湯」源泉です。
片品温泉と呼ばれるにようになったのは戦後になってからのことで、それ以前は 「新井の湯」 と呼ばれ地元の人たちに親しまれていました。
昭和初年、千代田館の初代が自噴する源泉を譲り受け、共同浴場を建て、後に旅館を開業しました。
だから “湯元” なのです。
旅館の入口には、薬師堂が建っています。
湯治客は、ここで病気が治るように祈願してから湯に入ったといいます。
我々一行も、古式ゆかしき儀礼に従い、手を合わせました。
「お久しぶりです。その節は、お世話になりました」
3代目主人の田邊晃男さんと、どちらからともなく再会のあいさつを交わしました。
最後にお会いしたのは、一昨年に出版した『尾瀬の里湯』(上毛新聞社) の取材でした。
その時、川底に湧く源泉を管理する苦労話などを聞きました。
泉質は、pH 9.0 のアルカリ性単純温泉。
まるでローションか乳液に浸かっているようなトロンとした肌触りです。
“美肌の湯”の名に恥じない、正真正銘のツルスベの湯であります。
「あれ、みなさん見違えるほど綺麗になっちゃって、誰だかわかりませんでしたよ(笑)」
大広間では、山里の素朴な料理に舌鼓を打ちながら、和気あいあいの談笑が続きます。
いい湯、いい宿、いい仲間
受講生のみなさん、後期もよろしくお願いしますね!
Posted by 小暮 淳 at 10:54│Comments(0)
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