2018年02月19日
となりの芝生
「小暮さんは、成功者ですね?」
「えっ、僕がですか?」
自分の人生を不幸だと思ったことはないし、どちらかといえば幸せな人生を送っているほうだとは思います。
でも、“成功”か “失敗” かと問われると、まったく分かりません。
そもそも、まだ人生は途上なのです。
なのに、その人は僕のことを成功者だと言います。
同世代の男性です。
仕事は、やはり同じフリーランスですが、かなり特殊な職業です。
芸の道を生きている人で、かなりの著名人です。
僕から見れば、よっぽど彼のほうが人生の成功者なのです。
なのに、なぜ、そんなことを言うのでしょうか?
「子どもを3人も育てて、お孫さんまでいらっしゃる。大したものですよ」
キョトンする僕。
だって、誰でもやっていることではありませんか?
ほめられることでも、別段、人と変わったことをしたわけでもありません。
なのに彼は、その普通のことを、まるで偉業を成したかのように感心するのであります。
話を聞けば、彼には紆余曲折の私生活があったようであります。
でも、それは芸の道を究めるためには、不可欠だったように思われます。
人は、何を基準に “成功者” と呼ぶのでしょうか?
その価値観は、人それぞれのようですね。
もしかしたら、ただ単に彼が持っていないものを、たまたま僕が持っていただけなのかもしれません。
でも僕からしたら、彼は十分にうらやましい人生を歩んでいる人なのですが……。
Posted by 小暮 淳 at 13:47│Comments(0)
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