2018年06月19日
昔イクメン、今カイメン。
「今日は、父の日だよ」
「……」
「はい、たまにはビールで乾杯しよう」
「……」
「カンパ~イ!」
オヤジは満93歳。
今秋、誕生日を迎えると94歳になります。
一族でも、歴代最長寿タイに並びます。
でも認知症を患って、かれこれ10年になります。
年々症状は悪化しています。
今ではオフクロも、僕も、アニキのことも分かりません。
昼も、夜も、もちろん季節も分りません。
1日24時間、食事の時以外は、目をつむっているか、寝ています。
「おいしいかい?」
「冷たくて、おいしい」
「さあ、これを飲んだら、ちゃんと布団で寝ようね」
寝る前にオヤジをトイレへ連れて行き、オムツを交換します。
夜中に、だいたい3回 (多いときは10回近く起きる時も)。
それでも間に合わない時があります。
オムツの保水力の限界を超えてしまい、布団も本人もビショビショになることもたびたび……
教訓を生かして、今は布団の上にレジャー用のビニールシートを敷いて、その上に寝かせています。
オヤジのオムツを取り替えるたびに、思い出すのは20~30年前の子育てです。
まだ「イクメン」(育児男子) なんていう言葉もない時代のことです。
基本、昼間は勤め人ではない僕が、3人の子供たちの面倒を看ていました。
食事、散歩、保育園の送り迎え……
重なるんですね、オヤジとかつての子供たちの姿が。
人間の一生は、元にもどるのだと、つくづく感じています。
イクメンならぬ、今は 「カイメン」(介護男子) です。
ただイクメンは10年経てば、すでに役目は終えているのですけどね。
カイメンの任期って、いったいいつまでなんでしょうか?
ふぅーーーーーーーーっ!!!
Posted by 小暮 淳 at 11:11│Comments(0)
│つれづれ