2019年01月14日
スマホを忘れただけなのに
「最悪~! ああ、人生、終わりだ~!!」
昨晩遅く帰って来た次女が、リビングに入るなり床に倒れ込み、頭を抱えて叫び出しました。
何事かと思い、駆け寄る父 (僕です)。
「スマホを忘れた~! 友だちの車の中。すぐに気が付いて追いかけたけど、行っちゃった~!!」
なーんだ、そんなことかと、安堵する父。
でも、その 「なーんだ」 が娘には気にさわったようで、
「なんだじゃないよ。ああ、もう生きていけない」
と、のた打ち回るのです。
「ちょっと、冷静になれ。友だちが、すぐに気づいてくれるさ」
「気づかないよ、後部座席だもの」
「だったら、その友だちに電話すればいいじゃないか?」
「知らないもの」
だよね。
昔だったら電話帳に書きとめていたけど、ケータイになってからは、確かに電話番号を控えなくなってしまっている。
家族の番号だって、覚えていないものね。
そりゃあ、仕方がないか。
「だったら、自分のケータイに電話してみろ! 友だちが気づいてくれるかもしれないじゃないか?」
「きっとダメだよ。マナーモードになってるし……」
と言いながらも立ち上がり、固定電話のプッシュボタンを押し出す娘。
(自分の番号は、覚えているようです)
「やっぱりダメだよ。出ないよ。あああああーーーー! どうしよう」
「どうしようって、失くしたわけじゃないんだろ。どこに置いてきたか分かっているんだから、明日になけば気づいてくれるよ」
「じゃあ、それまで、どーすんのよ~!?」
「どうするのって、待っていればいいじゃないか」
「そんなの、死んじゃううううう!!!」
娘は完全なる “スマホ依存症” のようであります。
ガラケー人間の父には、ここから先は、まったく理解不能となりました。
しばらくして娘は、またコートを羽織ると、出かけようとしています。
「こんな遅くに、どこ行くの?」
「その友だちの家」
「なーんだ、知っているのかよ」
娘が車で出て行って、30分ほどした頃。
僕のケータイの着信音が鳴りました。
娘から、<携帯無事> の文字。
人騒がせな娘である。
たかがスマホを忘れたぐらいで……
と思ったけど、いやいや、きっと、こんな出来事が毎日、日本中で起きているんだろうなと、つくづく考えさせられた夜でした。
便利な世の中になったけど、なんだか人の心は不便になってしまいましたね。
<良かったね>
とだけ返信して、僕は眠りに就きました。
Posted by 小暮 淳 at 17:56│Comments(2)
│つれづれ
この記事へのコメント
マロパパ先生 お嬢さんのスマホが無事で何よりです(^^♪ わたしもガラケーですが、ガラケーだって、飲み屋や電車や・・に置き忘れたら、あたふたします。
まずは、忘れないように、って自分にも言い聞かせます。。手紙や家電や公衆電話が元気だった時代が、なつかしい~でござる。「つながりにくい」からヨカッタこともいっぱいあったような気がしまする。不便な時代は、実に情緒のあるいい時代だったのかもしれませんね(´・ω・`) そして、利器から解放されて、空を見上げて、飛んでいく謎のネズミに気付ける五感が、いまこそ貴重なのかも!
まずは、忘れないように、って自分にも言い聞かせます。。手紙や家電や公衆電話が元気だった時代が、なつかしい~でござる。「つながりにくい」からヨカッタこともいっぱいあったような気がしまする。不便な時代は、実に情緒のあるいい時代だったのかもしれませんね(´・ω・`) そして、利器から解放されて、空を見上げて、飛んでいく謎のネズミに気付ける五感が、いまこそ貴重なのかも!
Posted by ムク at 2019年01月15日 01:44
ムクさんへ
僕が東京で暮らした70~80年代は、まだまだ不便そのものでした。
友だちと会うためには、公衆電話から友人の下宿に電話して、大家さんに呼び出してもらい、会う日を約束をして、駅の改札口で、ひたすら待ち続けたものです。
そういえば、「伝言板」 なんてのもありましたね。<2時間待った> なんて書いて、その日はあきらめて帰ったものです。
もう、あんな不便な時代にはもどれないけど、便利の度合を選ぶことはできます。
自分の価値観で生きていくことが、今の時代、必要なのかもしれませんね。
みーんな同じじゃ、つまらないもの!
僕が東京で暮らした70~80年代は、まだまだ不便そのものでした。
友だちと会うためには、公衆電話から友人の下宿に電話して、大家さんに呼び出してもらい、会う日を約束をして、駅の改札口で、ひたすら待ち続けたものです。
そういえば、「伝言板」 なんてのもありましたね。<2時間待った> なんて書いて、その日はあきらめて帰ったものです。
もう、あんな不便な時代にはもどれないけど、便利の度合を選ぶことはできます。
自分の価値観で生きていくことが、今の時代、必要なのかもしれませんね。
みーんな同じじゃ、つまらないもの!
Posted by 小暮 淳
at 2019年01月15日 10:26
