2019年02月04日
高崎観音山温泉 「錦山荘」⑤
あれから、もう9年も経ったんですね。
それからは、ただただ介護の日々でした。
今日は、我が家から2番目に近い温泉地(宿泊施設のある温泉) へ行ってきました。
1番近い温泉旅館は、先日、ブログに記した大胡温泉(前橋市) です。
2番目は隣街、高崎市で昭和4年(1929) より商いを続けている老舗旅館 「錦山荘(きんざんそう)」 であります。
雑誌の取材で行ってきました。
ここは、僕のお気に入りの温泉の1つです。
アクセスが良く、そのわりには竹林に囲まれた閑静な地にあり、建物も歴史があり立派で、何よりも眺望が素晴らしい!
高崎市街はもちろん、遠く前橋市まで望め、さらに裾野を広げる赤城山の全景が見渡せるのです。
今日も撮影の後、しばし展望風呂のテラスから絶景を満喫してまいりました。
そして、ここ錦山荘は、僕が生涯忘れることのできない思い出の温泉地となりました。
9年前、まだオヤジの認知症が軽い頃に、一緒に入った温泉です。
※(当ブログの2010年2月25日 「老人と温泉」 参照)
思えば、あれが親子で入った最後の温泉となってしまいました。
現在、オヤジは94歳。
老衰が過度に進み、昨年暮れからは施設のお世話になっています。
湯に浸かると、あの時、オヤジと2人で眺めた景色が広がります。
遠くに、かすみ見える赤城山の雄姿に、「キレイだね」 と言ったオヤジの言葉がよみがえります。
「また来ようね」 と言った僕の言葉が、風に飛ばされて、カラカラと空回りしながら景色の中に消えていきました。
“ウソをついてしまったね。ごめんね”
もう、二度と一緒に見ることのない景色です。
“それでも、一度はオヤジの背中を流してあげられたのだから、まあ、いいか!”
なんて、めぐる想いの中で、湯を浴んでいました。
Posted by 小暮 淳 at 18:53│Comments(0)
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