2019年09月20日
マロの独白 (最終回) 天国より愛を込めて
こんばんワン! マロっす。
ここんちの飼い犬、チワワのオス、13歳2ヶ月と7日……
……でした。
オイラ、令和元年9月20日午前2時42分に、天国へと旅立ちました。
おとといまでは元気だったんですよ。
前回、ご主人様がブログに書かれたように、確かに足腰はヨボヨボですけど、なんとか休み休み、家のまわりのいつもの散歩コースを歩きました。
ところが昨日は朝から体調がすぐれなくて、朝食も半分残してしまいました。
「おとう、マロ、だいぶつらそうだけど、今日も散歩行くの?」
ゲージの中で横たわっているオイラを見て、次女様がご主人様と話しているのが聞こえました。
「無理かもしれないね」
「私は午後、出かけちゃうけど、無理はさせないでね」
そう言って、次女様は家を出られました。
「おい、マロ! 散歩、行くか?」
「クー、クー」
どうしたことでしょう、一生懸命、言葉にしようとするのですが、なんだか息苦しくて、いつものように話せません。
「立てるか?」
ご主人様がオイラの体を抱き上げますが、床に下ろすと、そのまま濡れ雑巾のようにグターっと倒れこんでしまいます。
まったく、手足に力が入りません。
「今日は、やめとくか! おい、マロ、オレも出かけるけど、1人で留守番できるかい?」
「クー」
そして、ご主人様も出かけられ、オイラは家に残されました。
ご主人様が帰って来られたのは、夜の9時過ぎでした。
「マロ、どうした! 大丈夫か?」
返事をしようにも、意識がもうろうとして、もう声が出せません。
ご主人様は何も言わず、ゲージの中で糞尿まみれになって倒れているオイラを抱きかかえ、キレイに体を拭いてくださいました。
やがて次女様と奥様も帰って来られたようですが、オイラには、ご主人様の声が、かすかに聞こえるだけです。
「今日はオレが一晩中、マロについているから、寝ていいぞ」
そう言うと、ご主人様はゲージの隣にクッションを持ってきて、リビングの床に添い寝をしてくださいました。
「クー、クー」
と時々、オイラが声を上げると、
「マロ、大丈夫か? オレが一緒にいるからな!」 と言って、背中をさすってくれたり、テッシュに浸した水を口元に当ててくださいました。
日付けが替わり、午前1時を過ぎた頃あたりからでしょうか。
だんだん息が苦しくなってきて、それまでは鼻で呼吸をしていたのですが、口を開いて、ハーハーと音を立てるようになっていました。
「マロの様子が、おかしいぞ!」
ご主人様の声に、まだリビングでスマホをいじっていた次女様も、オイラのそばに駆け寄ってきました。
「下顎(かがく)呼吸が始まったのかな?」
「なんだい、それ?」
「人間の場合だけど、苦しくなって、大きく呼吸をしようとすると、アゴを激しく動かすようになるんだよ。でも、これが始まると24時間内に絶命するらしい」
次女様は、看護大学の現役学生さんなのです。
「でも、あくまでも人間の場合だよ。犬のことは分からない。そもそも、これが下顎呼吸かも分からないし」
やがて、ご主人様と次女様の話し声が、遠のいていきました。
「ハー、ハー、ハー、ハー、ハー」
呼吸のスピードが、どんどん速くなっていきます。
「マロ! しっかりしろ!」
ご主人様の手が、もう何時間もオイラの背中をさすってくださっています。
「マロ! 逝っちゃだめ! ダメダメ、イヤだよ~!」
次女様の手が、オイラの頭をなでています。
あー、オイラ、しあわせだな~……
13年前に、ペットショップの福引きの2等賞の景品になったおかげで、こんなにも楽しい犬生を送れたんだもの……
※(オイラが、この家に来たいきさつは、「マロの独白」 のバックナンバーをお読みください)
ご主人様、奥様、次女様、そして嫁がれた長女様、世帯を持たれた長男様、大変お世話になりました。
本当にオイラは、しあわせでしたよ。
楽しかったな~!
もっともっと一緒にいたかったけど、これがオイラの寿命なんですね。
ひと足先に、大主人様と大奥様の所に行きます。
今度、生まれ変わっても、オイラ、必ずペットショップの景品になりますから、また引き当ててくださいね。
もう一度、ここんちの飼い犬になりますから! 絶対に!!
それまで、しばしのお別れでやんす。
そして、読者のみなさん、本当に本当に長い間、オイラのつたない文章を読んでくださり、ありがとうございました。
感謝してるワン!
バイバイ!
さようなら……
PS
長い間、『マロの独白』 をご愛読いただき、ありがとうございました。
心よりお礼を申し上げます。 主人
Posted by 小暮 淳 at 20:01│Comments(6)
│マロの独白
この記事へのコメント
小暮さん、泣かさないでください。 淳さんの心境を考えてしまうと‥マロ君の御冥福を祈りながら泣きました。マロ君はとても幸せな生涯でしたね。このブログにも登場し全国に沢山のファンがいて、もしかするとご主人様よりも有名人、いや有名犬かも!? 天国のマロ君!! 我儘なご主人様だったかも知れませんが、もう少し世の為・人の為、そして自分の為に好きな事をしますので‥大好きなご主人様を天国から見守ってやって下さいね。宜しくです。
Posted by 水上のなべちゃん at 2019年09月20日 21:12
マロくん・・マロさん・・・
そうだったですか・・・。とてもとても淋しいです。。。
だけど、マロさんの「たのしかったな~!」っていう一言が、本当に心に響き渡るようです・・・。優しくてたのしいステキなご家族、ご主人様たちに囲まれて暮らし、ほんと幸せな犬生だったことを、一読者として、心からうれしく、同じ犬族として誇らしいような気持ちです。
今日はお彼岸入りの日でしたね。。大主人様や大奥様に、岸辺で再会されているかな・・・それとも、まだ小暮家の居間かどこかでみんなを見守っているのかな・・・。どうぞ、ゆっくり休んで、そして天のお花畑をぞんぶんに翔けてくださいませ・・・。
マロパパ先生へ
なんと言っていいのか・・・、言葉が出ないので、だまって献杯させていただきます。。東京から、マロさんのご冥福をお祈りしています。ムクより。
そうだったですか・・・。とてもとても淋しいです。。。
だけど、マロさんの「たのしかったな~!」っていう一言が、本当に心に響き渡るようです・・・。優しくてたのしいステキなご家族、ご主人様たちに囲まれて暮らし、ほんと幸せな犬生だったことを、一読者として、心からうれしく、同じ犬族として誇らしいような気持ちです。
今日はお彼岸入りの日でしたね。。大主人様や大奥様に、岸辺で再会されているかな・・・それとも、まだ小暮家の居間かどこかでみんなを見守っているのかな・・・。どうぞ、ゆっくり休んで、そして天のお花畑をぞんぶんに翔けてくださいませ・・・。
マロパパ先生へ
なんと言っていいのか・・・、言葉が出ないので、だまって献杯させていただきます。。東京から、マロさんのご冥福をお祈りしています。ムクより。
Posted by ムク at 2019年09月20日 21:34
続く時は…続くもんですね…
Posted by T課長 at 2019年09月20日 22:34
水上のなべちゃんへ
ありがとうございます。
とっても、おだやかな最期でした。
スーッと呼吸が止まり、いつもの寝姿に戻りました。
今はマロの冥福を祈るばかりです。
ムクさんへ
ありがとうございます。
これからもマロからもらった楽しかったたくさんの思い出を胸に、家族仲良く暮らして行こうと思います。
今は、ただただマロに感謝であります。
T課長さんへ
ですね。
令和元年は、小暮家にとって “別れの年” となりました。
ありがとうございます。
とっても、おだやかな最期でした。
スーッと呼吸が止まり、いつもの寝姿に戻りました。
今はマロの冥福を祈るばかりです。
ムクさんへ
ありがとうございます。
これからもマロからもらった楽しかったたくさんの思い出を胸に、家族仲良く暮らして行こうと思います。
今は、ただただマロに感謝であります。
T課長さんへ
ですね。
令和元年は、小暮家にとって “別れの年” となりました。
Posted by 小暮 淳
at 2019年09月21日 10:05

マロ君の大往生・・・・合掌
いつも楽しく面白く
斜めから見たり、横から見たり
時には後ろから、そして真上から
マロ君にいろいろ教えていただきました。
ありがとうございました。
いつも楽しく面白く
斜めから見たり、横から見たり
時には後ろから、そして真上から
マロ君にいろいろ教えていただきました。
ありがとうございました。
Posted by 気まぐれ爺さん at 2019年09月21日 13:26
気まぐれ爺さんへ
長い間、マロのファンでいてくださり、ありがとうございました。
私たち家族も、たくさんのことをマロから教えてもらいました。
何よりも、マロがいるだけで、その場が笑顔になれたのです。
オヤジが亡くなった時も、、オフクロが亡くなった時も、疲れて帰れば、必ずマロが迎えてくれました。
マロは居るだけで、私たちの癒やしだったのです。
今はただ、マロの居ない生活に慣れることだけを心がけて暮らしています。
今後とも、当ブログをご愛読くださるようお願いいたします。
長い間、マロのファンでいてくださり、ありがとうございました。
私たち家族も、たくさんのことをマロから教えてもらいました。
何よりも、マロがいるだけで、その場が笑顔になれたのです。
オヤジが亡くなった時も、、オフクロが亡くなった時も、疲れて帰れば、必ずマロが迎えてくれました。
マロは居るだけで、私たちの癒やしだったのです。
今はただ、マロの居ない生活に慣れることだけを心がけて暮らしています。
今後とも、当ブログをご愛読くださるようお願いいたします。
Posted by 小暮 淳
at 2019年09月21日 23:10
