2020年01月01日
年賀欠礼
静かに新しい年が明けました。
昨日までの木々を揺らし、肌を刺しながら吹きすさぶ、あの冷たい空っ風が嘘のような穏やかな朝でした。
そして我が家も初めて迎える、おごそかな正月を過ごしています。
喪中につき、年賀欠礼いたします。
「ジイジ、今年もよろしくお願いします」
小学生の孫が、バカ丁寧にあいさつをしました。
「おお、よく言えたね」
「うん、今年は 『おめでとう』 じゃないんだよね」
昨晩、長女とメールのやり取りをしました。
<お年賀って、いらないの?>
僕にとっても、子どもたち、孫たちたちにとっても、初めて迎える “喪中” の正月です。
「おめでとう」 も言わない、「お年賀」 もいらない、「初詣」 も行かない旨を伝えました。
ただし、「おじいちゃんとおばあちゃんが好きだったお菓子などを持って行くなら、熨斗(のし) は付けずに仏壇に供えなさい」 と……
新年恒例の昼食会をレストランで済ませ、全員で僕の実家へ向かいました。
実家では、兄夫婦と姪一家が待っていました。
ここでも 「おめでとう」 はありません。
仏壇に線香を手向けた後、お茶会を開きました。
「みんなに見せたいものがあるんだ」
と、アニキがDVDプレーヤーとモニターを持ってきました。
「おじいちゃんと、おばあちゃんが動いているぞ!」
その昔、2人がテレビ出演したときの録画映像でした。
20年以上も前の、まだ元気だった頃の両親が、画面の中で笑っています。
ひ孫たちは、興味津々で見入っています。
孫たちは、「わー、おじいちゃんも、おばあちゃんも若~い!」 と爆笑です。
写真ではなく、動画の両親を見ていると、とても不思議な思いが込み上げてきました。
「確かに、生きていたんだ」 という当たり前のことなのに、まるで何かを発見したときのような喜びに満たされました。
「おい、R (長男)、おばあちゃんに抱っこされているの、お前だぞ!」
「えっ、オレなの!?」
2歳くらいでしょうか、ちょうど今の長男の息子と同じくらいです。
帰りがけに、アニキが僕に言いました。
「一周忌だけど、いつ頃がいい?」
「オヤジとオフクロ、一緒にやっちゃおうよ」
「ああ、そうしようと思う。また相談するから」
なんとも不思議な正月です。
でも、こんな正月も長い人生には、“アリ” なんですね。
読者のみなさん、今年もよろしくお願いいたします。
Posted by 小暮 淳 at 20:29│Comments(0)
│つれづれ