2020年04月02日
老化と自粛とパラサイト
かくかくしかじか、のっぴきならない事情がありまして、遅ればせながら、やっと話題の映画 『パラサイト 半地下の家族』 を観てきました。
案の定、映画館は、ほぼ貸切状態でした。
まず、なぜ、ここまで鑑賞が遅れたのか?
事情その一は、“老化” が原因です。
カンヌ映画祭で最高賞のパルムドール受賞のニュースを聞いたときから、上映されたら、すぐ観に行くつもりでいました。
でも、そこには、大きな障害が立ちふさがっていたのです。
そうです、“字幕スーパー問題” です。
かれこれ10年くらい前から僕は、映画館で洋画を観ることをやめました。
理由は、「字が小さくて読めない」 「1回のテロップが読み切れない」 「字幕に集中するあまり画面が見られない」 から!
ひと言でいえば、老化です。
「パラサイトって、字幕スーパーですよね?」
「はい」
「これって、吹き替え版の上映はないの?」
「はい」
「今後も?」
「ちょっと、お待ちください……」
僕の質問に、店員はカウンターから離れ、他のスタッフとヒソヒソ話をすると、戻ってきました。
「はい、予定はないようです」
ということで、1ヶ月以上が過ぎました。
そして事情その二が、新型コロナウイルスの感染拡大です。
自粛、自粛、自粛……
もちろん僕の仕事も例外ではありません。
わずかな連載の執筆はあるものの、講演や講座、イベント関係は、すべて中止になりました。
毎日、毎日、やることがなくて、困ってしまいます。
そうだ!
映画を観に行こう!
今なら空いているぞ!
と、映画館へ。
えーと、えーと、上映作品の一覧を見ても、観たい映画がありません。
そして、目に飛び込んで来たのが、「パラサイト」 の5文字だったのでした。
仕方ない、老化と闘うしかない!
劇場に入ると、客は僕の他に、たった3人。
しかも若い人たちのようで、後ろのほうにパラ、パラ、パラ。
「いいなぁ~、あんなに遠くても見えるんだ」
と、ひとりごちながら、思いっ切り前方の席に座りました。
結果、字は読めたものの、スクリーンが大き過ぎて、映像が追いきれず、首が疲れてしまいました。
この自粛、いったいいつまで続くのでしょうか?
Posted by 小暮 淳 at 10:59│Comments(0)
│シネマライフ