2020年05月21日
断密会議
本来ならリモートで行うべきなんでしょうが、なにせ、貧乏団体なもので、仕方なく密集・密閉・密接の3密を避けた “断密” を守る条件で、事務所に3人の役員が集まって会議をすることになりました。
5年前に立ち上げたNPO法人 「湯治乃邑(くに)」 であります。
僕は代表理事を務めています。
3人は、互いに2メートル間隔のソーシャルディスタンスを保ちながら、会議室のテーブルに着きました。
もちろん、部屋の窓も開け、換気をしています。
マスク着用ではありますが、コーヒーを飲むときだけは、はずさないわけにはいきません。
「あれ、理事長! いつの間にヒゲを」
「いえいえ、これは、ただの不精ですよ」
「いいじゃないですか、似合いますよ」
「コロナが終息するまでの期限付きです」
若い頃、髪とヒゲを “自由” の象徴として伸ばしていた時期がありましたが、この歳になったら意義も主張もありません。
ただの “ひま” の証しです。
どうせ人にも会わないし、家からも出ないのです。
たまに出たとしてもマスクをしているのだから、ヒゲを剃るだけ無駄な労力を費やすだけであります。
「いや、コロナが明けても、その風貌でいきましょう」
「白髪のロン毛に白ヒゲでは、ただの危ない人じゃありませんか」
「いや、理事長には、それで講演をやっていただきたい。迫力があります」
とかなんとか、おだてられ、そのまま会議は雑談だけで1時間が経過してしまいました。
「少しは、会議らしい話もしましょう」
ということになり、会計報告と今年度の事業報告をはさむものの、数分で終わってしまい、話題はもっぱらコロナ禍に関する自粛話で盛り上がってしまいました。
「リモート呑み会っていうのが流行っているらしいですけど」
と僕が言えば、
「何度かやりましたけど、一度やれば同じ相手とは、もういいですね」
「やっぱり、人と人は面と向かって話さないと、ストレスは解消されませんよ」
「では、次回は呑みながらの会議ということで」
「と言いたいところですが、いったい、いつになったら堂々と呑みに出られるんでしょうかね」
せめて夏には、キーンと冷えたジョッキで乾杯したいものです。
「では、また来月」
断密を守ったまま、解散となりました。
Posted by 小暮 淳 at 15:41│Comments(0)
│湯治乃邑