2020年06月04日
リアルとリアリティー
長いコロナ自粛生活が続く中、少しずつですが 「断捨離」 をしています。
とはいっても仕事の資料だけですけど……。
過去の取材で使用した膨大な資料を、必要なものと破棄するものとに区分けしています。
ついでですから、これを機にパソコンも一新することにしました。
通信回線も、よりスピーディーなものにして、快適なPCライフを送れる環境にしました。
とはいっても、根っからのアナログ人間ですからね。
環境は整えても、依然、使用しているのは、原稿やブログを書くことと、メールの送受信、それとネット検索くらいなものです。
まあ、機械は新しくなっても、使用している人間が古いままですから仕方がありません。
そんな、さなかでした。
ネットの誹謗中傷が原因で、若い女子プロレスラーが自殺をしてしまいました。
なんでも、出演していたテレビ番組での彼女の態度に対して、非難が集まったようです。
その番組は、見知らぬ男女が共同生活をする様子を映し出した、 “台本がない” ことが売りの 「リアリティー・ショー」 だったとのことです。
その中の彼女の行動に対して、ネット上で誹謗中傷が集まったとのことです。
なんとも、不思議な話です。
だって、台本がないといっても、隠し撮りではなくて、出演者はカメラが回っていることは知っているわけですよね。
ならば、その番組は “作り物” だったわけです。
(僕だって、テレビに出演するときは多少、演じますから)
“リアル” ではなく、あくまでも “リアリティー” を追求した番組です。
いつ頃からでしょうか?
世の中が、現実と仮想の違いを区別できなくなってしまったのは?
「やらせ」 とまでは言わなくても、すべてはテレビの中で起きていることです。
それに対して、あーだ、こーだ、と個人的な意見を述べることは、ドラマの中の犯人役の俳優に対して、「けしからん」 と息巻いているようなものです。
確かに、子どもの頃は、ドラマの中の悪役の俳優は、イコール、「悪い人」 だと思っていました。
しかし、大人になるにつれ、「あれは演じているんだ」 ということを知ります。
ということは、ネット上で誹謗中傷を繰り返す人たちは、大人になれない人たちなのでしょうか?
でもね、昔もいたんですよ。
テレビ局に誹謗中傷を送り付ける人たちは……
でも、電話や手紙だったんですね。
(勇気と手間がかかりました)
匿名で、しかも無責任に、まして正義感までも振りかざして、安易に指先一本で発信できるのが、現代のネット社会です。
ネット依存もいいけれど、リアルとリアリティーの違いくらいは、見定めてほしいものです。
Posted by 小暮 淳 at 11:09│Comments(0)
│つれづれ