2020年08月29日
健康優良爺
「驚いた! 小暮さん、こりゃ、めちゃくちゃ優等生ですよ。このまま行けば、105歳まで生きますね」
「ひゃく、ご、さ、いーーーー!!!」
僕は先月の終わりに、年に一度の健康診断を受けました。
その結果が、昨日、主治医から渡されました。
医者からは、「血圧が少し高いくらいで、特に異常なし」 との事務的な報告でしたが、僕は、その足で薬局へ行き、なじみの薬剤師に報告しました。
「いかがでしたか?」
「ええ、がん検診も異常なしです。でも、これを見ても素人には、細かいことは分かりません」
そう言うと、
「ちょっと、見て差し上げましょうか?」
と言って、手渡した検査資料に目を通しはじめました。
その用紙には、「血液検査プロファイル」 と書かれていました。
「素晴らしい!パーフェクトですよ。 すべての項目が、こんな数値の人は、なかなかいませんよ。小暮さんは、毎日、お酒を呑まれるんですよね?」
「はい、365日、欠かしたことはありません!」
と、キッパリ!
すると、薬剤師は、
「呑み足りないんじゃないですか?(笑)」
「呑み足りない?」
「だって、これ、お酒を呑んでいる人の数値じゃないですよ」
「肝臓が丈夫ってことですか? 生まれながらの “酒呑み体質” っていうことだ(笑)」
その薬剤師が、あんまり褒めるので、隣にいた薬剤師までもが、資料を覗き込みました。
「小暮さん、お母様に感謝ですね。こんなにも健康な体に産んでくださったんですから」
もちろん、感謝はしています。
でも、その時、昨年相次いで亡くなった両親のことを思い出しました。
オヤジは94歳まで生きましたが、晩年の10年間は認知症でした。
オフクロは91歳まで生きましたが、最後の5年間は寝たきり生活でした。
いつか終わることとはいえ、先の見えない介護生活は、心身ともに疲れ果てました。
そう思うと、同じことを僕の息子や娘たちには、させたくないというのが本心です。
だから決して、“長生き=幸せ” だなんて思えません。
「105歳ですか?」
「ええ、保証しますよ(笑) うれしくないですか?」
「条件付きですね」
「条件付き?」
「ピンピンコロリなら、いいですけどね(笑)」
あと、43年もあるのか……
人生は、長いな~!
Posted by 小暮 淳 at 12:16│Comments(0)
│つれづれ