2020年09月15日
目に見えない恐怖
また、未来と才能ある若い女優さんが、亡くなってしまいました。
死因は不明のようですが、警察は自殺とみて調査を進めているとのことです。
ご冥福をお祈りいたします。
新型コロナウイルスの感染拡大が報じられるようになって、半年以上が経ちます。
あと、どれくらい辛抱すれば、いいのでしょうか?
このコロナ禍の中で、人々は、不安と焦燥におびえながら生きています。
そんな折、先日、8月の自殺者数が発表されました。
1,849人で前年比15.3%の増加だったといいます。
ちなみに1月は横ばい、2~6月は大幅減、7月は横ばい、そして8月は一気に大幅増に転じました。
この現象について、さる識者は、こうコメントしています。
<コロナ禍の影響を否定できない。夏頃から廃業を考える中小企業の経営者が増えている。7月まで踏ん張った経営者や非正規社員が、8月に心が折れてしまった。>
確かに、僕のまわりを見渡しても景気の良い話をしている人は、誰一人といません。
アルバイトを切られた学生、パートを失った主婦、夏のボーナスが激減したサラリーマン……
それだけでは、ありません。
旅行やイベント関係者においては、依然、先の見えない実質 “休業状態” が続いています。
たとえば僕の場合。
講演やセミナーなどの屋内会場での講師の仕事は、少しずつですが戻りつつあるものの、バスを出して温泉地をめぐる野外講座については、まったく再開のめどが立っていません。
まあ、講師なんていう僕一人の問題は、どうでもいいことですが、バス会社にしてみれば死活問題です。
きっと、すべての団体旅行が中止になっていることでしょう。
実際、僕が毎年参加している某出版社の社員旅行も、ご多分にもれず今年は中止となりました。
でもね、僕は思うんです。
コロナの恐怖は、目に見える恐怖だけではないと!
仕事が減ったり、失ったりすることは、コロナの無かった世界でも起きていたことです。
人間には、知恵があります。
そして、手を差し伸べてくれる人もいます。
でも、もし、その、手を差し伸べてくれる人が、いなくなってしまったら?
冒頭の女優さんの死について、仲の良かった俳優さんがテレビで、こんなことを言っていました。
「コロナで、人と人とのコミュニケーションが取りづらくなった」
仕事の終わりに、「ちょっと呑んでいくか?」 の一言が、かけづらい世の中になったと……。
“3密” を気にするあまり、人と人が接触を恐れ、人が人に無関心になっているのではないでしょうか?
「コロナがなかったら、もっと会って、話を聞いてあげられたのに」
コロナに打ち勝つには、ワクチンよりも景気回復よりも、人と人のコミュニケーションの大切さに気づくことなのかもしれませんね。
Posted by 小暮 淳 at 11:27│Comments(0)
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