2021年02月05日
人面●身の妖怪たち
みなさんは、最近SNSで話題の 「クタべ」 という妖怪をご存じですか?
江戸時代に富山県・立山地方に現れたという霊獣です。
顔は人間、体は獣。
「その姿を見たものは、災厄から逃れられる」 という言い伝えがあるようです。
現在、キャラクターとなっている 「クタべ」 は、とても可愛い顔をしているのですが、水木しげる先生が描いた 「クタべ」 という妖怪は、もっと恐ろしい鬼のような顔をしています。
では、なぜ今、この妖怪が話題になっているのでしょうか?
答えは、1つ!
アマビエさまが、頼りにならなかったからです。
新型コロナウイルス感染拡大から丸1年が経ちました。
一向に、猛威が止まりません。
あれだけ期待された 「アマビエ」 も、今では “力不足” のレッテルを貼られてしまい、2匹目のドジョウとして引っ張り出された 「ヨゲンノトリ」 にいたっては、誰も話題にもしない有様です。
業を煮やした大和人たちは、もう一度、歴史を紐解き、さらなる刺客を送り込んだというわけです。
それが 「クタべ」 であります。
でも、まだ弱いんですね。
新型コロナウイルスは、「アマビエ」 でも 「ヨゲンノトリ」 でも敵わなかった相手です。
「クタべ」 だけでは、頼りないし、不安です。
そこでネット上では、次々と援護部隊を送り込んでいます。
まず第一の家臣は、「姫魚(ヒメウオ)」 です。
江戸時代に肥前の国(長崎県) に竜神の使いとして現れ、コレラを予言しました。
女性の顔に2本の角、体は魚で、まるで和製人魚のようです。
お次は、「神社姫(ジンジャヒメ)。
こちらも江戸時代に肥前(佐賀県) に現れ、コレラを予言したと伝わります。
竜宮の使いで、姫魚同様、顔は角のある女性ですが、体は竜です。
さらに尾は3本の剣に分かれています。
そして、最強の助っ人が 「豊年亀(ホウネンガメ)」。
紀州(和歌山県~三重県) に現れた妖怪です。
顔は黒髪の女性で2本の角を持ち、亀の甲羅を背負い、蓑のような尾を生やしています。
以上、新たに登場した4妖怪には、いくつかの共通点があります。
まず、「予言獣」 と呼ばれる妖怪であること。
そして、その姿を江戸庶民たちは絵に描いて、疫病除けのお守りにしたということ。
姿が半分人間で、半分が獣や魚であるということも共通しています。
「クタべ」 は人面獣身、「姫魚」 は人面魚身、「神社姫」 は人面竜身、「豊年亀」 は人面亀身。
江戸の民たちの想像力の豊かさを知ることができます。
さあ、行け!
「予言獣 人面ヨンレンジャー」 の妖怪たちよ!
アマビエとヨゲンノトリが果たせなかった人類最大の敵を倒すんだ!
もう、いっ時の猶予もないんだ!
地球の平和を頼んだぞ!
Posted by 小暮 淳 at 13:35│Comments(0)
│つれづれ