2021年05月27日
居酒屋依存症
「小暮さん、見つけました!」
「何を?」
「呑める店ですよ!」
突然、呑み仲間から電話がありました。
彼は、かなり興奮しています。
なにを、そんなに興奮しているのか?
察しの良い呑兵衛なら、お分かりですよね!?
そうです!
「まん防」 による “呑兵衛弾圧” の打開策に奔走する、けなげな “居酒屋依存症” の同胞からの報告なのであります。
「まん防」 こと、まん延防止等重点措置が施行されて、早や10日以上が経ちました。
群馬県内の10市町では、飲食店の時短営業に加え、酒類の提供の自粛まで要請されています。
ということで、居酒屋依存症の民は、“アルコール難民” と化しているのです。
ひと口に 「呑兵衛」 といっても、鉄道ファンに “撮り鉄” や “乗り鉄” があるように、そのスタイルは異なります。
まず大きく、「家呑み派」 と 「外呑み派」 に分かれます。
「家呑み派」 は基本、毎晩家での晩酌を楽しみます。
たまに外で呑むことはあっても、それは飲み会や宴会であり、複数での飲酒となります。
一方、「外呑み派」 は、毎日の晩酌も欠かしませんが、“雰囲気” を重んじるため、定期的に外へ呑みに出かけます。
僕は、後者です。
外呑みの好みは、様々です。
スナックやパブなどのにぎやかな雰囲気が好きな人、レストランやラウンジで静かにやりたい人、当然ですがキャバクラなどのお姐ちゃんがいる店へ通う人もいます。
でも日本酒好きとなれば、居酒屋が定番です!
ふらりと暖簾をくぐり、いつものカウンター席に座ると、黙っていてもスーッと酒が出てきます。
名前は知らないけれど、時々見かける常連客との他愛のない雑談……
これが、「外呑み派呑兵衛」 の醍醐味であります。
で、息も切れ切れに電話を寄こした “呑み友” も、そんな 「居酒屋依存症」 の一人です。
「見つけたって、どこよ?」
「○○町ですよ」
「○○とは、バカに遠いねえ?」
彼が告げた町名は前橋市のはずれ、赤城山の中腹であります。
平成の大合併で、かろうじて前橋市を名乗っていますが、我々のような根っからの “前橋っ子” から見れば、ド田舎です。
「ええ、仕事の途中で、昼飯を食べに寄った食堂なんですけどね。メニューを見ると、けっこうアルコールが充実しているんですよ。でね、主人に聞いたら、『うちは、ふつうに酒を出してるよ』 って言うんですよ! どうです? 小暮さん、呑みに行きませんか?」
「呑みに行きませんか?」 と言われても、家から遠すぎます。
帰りの代行代だって、バカになりません。
「遠すぎるよ、無理だよ」
と言えば、彼は大真面目に、こう答えました。
「だから、誰か一人、酒の呑めないヤツに運転させてですね、呑みに行きましょうよ!」
呑兵衛の、この執念!
僕も他人に負けないだけの呑兵衛としての自覚はありますが、上には上がいるものです。
その後、誘いの電話が来ないので、彼は、あきらめたのでしょうか?
それとも、もう少し近場の店を探しているのでしょうか?
今度、誘われたらホイホイと、ついて行ってしまいそうな自分が怖い、“まん防禍” の今日この頃です。
Posted by 小暮 淳 at 11:55│Comments(2)
│酔眼日記
この記事へのコメント
マロパパ先生
もう、まさにソレ!アルコール難民の執念は、侮れませんよね♪
こちらも同じく・・・呑める店を探してしまう、かなしきサガ。
「飲む」と「呑みに行く」とは、
同じようでいて、まったく違うことを、あらためて認識しております。
外呑み派ムクより
もう、まさにソレ!アルコール難民の執念は、侮れませんよね♪
こちらも同じく・・・呑める店を探してしまう、かなしきサガ。
「飲む」と「呑みに行く」とは、
同じようでいて、まったく違うことを、あらためて認識しております。
外呑み派ムクより
Posted by ムク at 2021年05月27日 12:04
ムクさんへ
酒は泪か、ため息か……
令和の “居酒屋一揆” を起こしましょう!
酒は泪か、ため息か……
令和の “居酒屋一揆” を起こしましょう!
Posted by 小暮 淳
at 2021年05月27日 22:04
