2021年07月04日
怪談は忘れた頃に語られる
昨日、高崎市のGメッセ群馬で開催された 「高崎怪談会」 に行って来ました。
以前、ブログにも書きましたが、僕は幽霊の存在を信じていません。
存在は信じていませんが、不思議な事や不思議な話は大好きです。
まして、それらが 「怪談」 として語られると、より知的好奇心をくすぐられます。
優れた “怪談噺” には、文学の香りがするからです。
今回の怪談会では、主催者の怪談作家・戸神重明氏をはじめ5人の話者による “怪談” が講話されました。
出演者は全員、群馬県出身か在住者というこだわりようです。
それぞれに個性があり、身近で見聞きした怪談を披露してくださいました。
そして白眉は、なんといってもゲストの落語家・林家つる子さん!
つる子さんは、群馬では、つとに知られた有名人です。
高崎女子高校の出身で、林家正蔵に弟子入りし、現在は二ツ目。
「ぐんま観光特使」 であり、県内のラジオ番組のパーソナリティーもされています。
実は僕、何度か彼女に、お会いしたことがあるんです。
彼女もまた、「ぐんまの地酒大使」 なんですね。
一緒にお酒を呑んで、語り、写真も撮らせていただきました。
そのつる子さんが、「怪談噺をする」 と聞けば、馳せ参じないわけにはいきません!
あの、いつも笑顔で、笑いを取っているつる子さんが、怪談を語る?
いったい、どんな内容なのでしょうか?
いつもの出囃子で登場するも、舞台は、いつもと異なります。
薄暗く、不気味にゆれる行燈の光の中、いきなり低いトーンで語り始めました。
演目は、なんと!
三遊亭圓朝の大作 『真景累ヶ淵』 より 「豊志賀の死」
聴く者が息をのむほどの熱演で、グイグイと引き込まれていきました。
何度となく、そのおぞましい表現力に鳥肌が立ちました。
そして終演後には、鳴りやまぬ拍手……
プロに対して大変失礼ですが、とにかく凄かった!
同じ大使というだけで、身近に感じていただけに、初めて見るつる子さんの鬼気迫る演技力に、ただただ感服いたしました。
たかが怪談、されど怪談……
怪談噺は忘れた頃に聴くと、新たな感動と恐怖がよみがえるものです。
ぜひ、みなさんも夏の夜に、怪談会に出かけてみてください。
涼しくなること請け合いです。
Posted by 小暮 淳 at 19:04│Comments(0)
│つれづれ