2021年10月24日
老いの曲がり角
過日、新聞の投稿欄に、とても残念な記事を見つけました。
投稿者は、男子中学生です。
<先日、電車に乗っていた時、初老の男性がつえをつきながら乗ってきました。席は空いていないし歩くのが大変そうだったから、席を譲ろうと 「ここどうぞ」 と言って立ちあがりました。すると、その男性は 「ジジイだと思っているのか! ガキがバカにしやがって!」 と怒声を浴びせてきました。僕は、もちろんバカにしようと思ったわけではありません。それなのに大声で僕を怒ってきたのです。>
いや~、なんとも情けない “ジジイ” であります。
その時の少年の落胆を想像すると、かわいそうでなりません。
周囲の大人たちは、黙って見ていたのでしょうか?
なんで、ひと言 「じいさん、そりゃないんじゃないの!」 と言ってあげられなかったんでしょうか。
ちょっとシチュエーションを検証してみましょう。
まず、席を譲られた男性は見た目 “初老” でした。
車内は満席のようで、近くに空いた席はありませんでした。
さらに、その初老の男性は “つえ” をついていました。
この場合、席を譲るのは、当然の行為だと思います。
少年や若者でなくとも、妊婦や杖をついた人を見かければ、見た目の年齢に関係なく席を譲ると思います。
この少年は、何も間違ったことをしていません!
問題は、なぜ初老の男性は、たかがそんなことで怒り出したのか?ということです。
もし僕ならば、断るにしても 「ありがとうね。でも、大丈夫ですよ」 とお礼の言葉を添えると思います。
察するに、逆鱗に触れた理由は、“初老” にあるのではないでしょうか?
足元がおぼつかない腰の曲がった高齢者ならば、「譲られて当然」 と自己認識するのでしょうが、“初老” というのがミソです。
初老って、いったい、いくつぐらいなんでしょうか?
投稿者は、中学生です。
ということは、自分の親より年上はの大人は、“初老” かもしれません。
ともすれば、彼にとっては50代でも “初老” に見えたのかもしれないのです。
しかも、杖をついていた……となれば、さらに老いて見えたかもしれません。
いうなれば、「プライドを傷つけられた」 ということなんでしょうね。
「ジジイだと思っているのか!」 という言葉が出るあたり、「自分は若い」 つもりなんでしょうね。
初老って、“老いの曲がり角” なのかもしれませんね。
見た目と自己認識のギャップが生じるお年頃なのかもしれません。
僕だって、中学生から見れば “初老” です。
外見をどのように評価されようが、された好意には感謝の言葉を返せる “初老” でありたいと思います。
Posted by 小暮 淳 at 11:21│Comments(2)
│つれづれ
この記事へのコメント
お疲れ様です。
怒り出した原因は、感情と思考が老いで狭くなっているかと。
様は老いで、自己中な心かと。酒が入っていたかもしれませんし。
怒り出した原因は、感情と思考が老いで狭くなっているかと。
様は老いで、自己中な心かと。酒が入っていたかもしれませんし。
Posted by ぎっちゃん
at 2021年10月25日 00:35

ぎっちゃんさんへ
いつもご愛読いただき、ありがとうございます。
スーパーやコンビニの店員に暴言を吐くことで、なにかと話題になる “キレる中高年” ですが、決まって男性なんですね。
ぎっちゃんが指摘するように、感情と思考が老いにより狭くなっていることが原因なのでしょうが、その傾向は女性より男性の方が顕著のようです。
一説によれば、これも認知症の兆候の一つだとか……。
男性諸君! 初老に差しかかったら精進してこらえましょうね。
いつもご愛読いただき、ありがとうございます。
スーパーやコンビニの店員に暴言を吐くことで、なにかと話題になる “キレる中高年” ですが、決まって男性なんですね。
ぎっちゃんが指摘するように、感情と思考が老いにより狭くなっていることが原因なのでしょうが、その傾向は女性より男性の方が顕著のようです。
一説によれば、これも認知症の兆候の一つだとか……。
男性諸君! 初老に差しかかったら精進してこらえましょうね。
Posted by 小暮 淳
at 2021年10月25日 17:15
