2021年11月18日
ローリングストーン
♪ Rolling 30 動けない花になるな
Rolling 30 転がる石になれ ♪
(吉田拓郎 「ローリング30」 より)
「ジュンちゃん、人生は老いてからが面白いんだよ」
電話の中から、はずんだ彼の言葉が聞こえてきました。
彼とは、かれこれ30年以上の付き合いになります。
共にギターを鳴らし、歌い、意気投合し、酒を酌み交わした仲です。
ただし、彼の方が僕よりも、ひと回り近くも年上になります。
それでも昔から何かと接点があり、仕事を一緒にしたこともあり、年齢差を感じずに今日まで付き合ってきました。
「今年いっぱいで、旅館を辞めようと思ってね」
「えっ!?」
出会った時の彼は、県の職員でした。
それが突然、何を思ったか、将来を約束されている仕事を離れて、温泉地の旅館に勤め始めてしまいました。
彼は40代の半ばでした。
もともと才能と実力のある人ですから、あれよあれよの間に夢を形にしていきました。
支配人、副社長、そして、ついには社長にまで上り詰めます。
話を聞けば、決して順風満帆ではなかったようですが、彼の信念は揺らぐことがありませんでした。
そんな彼から突然、電話がかかってきたのです。
「ジュンちゃん、すごいね~。大活躍だ。群馬の温泉っていったら、名実ともにジュンちゃんだものな」
話しの口火は、そんな、僕をヨイショする言葉から始まりました。
そして、旅館を辞める話に……
「どうしてさ? 辞めて、どうするの?」
「九州へ行く」
「きゅうしゅ~う?」
「ああ、すっごい山奥なんだけどさ、小さな土地を買ったんだ」
「そこで、何をするの? 隠居生活かい?」
「まさか~! ちょっとね、いろいろとやりたいことがあるんだよ」
70歳を過ぎて、あらためて人生を考えてみたのだという。
縁もあり、九州に移住し、“第3の人生” の選択に至ったという。
いったい彼は、これから先の人生で、何をしようとしているのだろうか?
思えば彼は、いつも何かに挑戦し続けている人だった。
きっと、また新しい生きざまを見せてくれることだろう。
風の便りを待ちたいと思います。
それにしても 「人生は老いてからが面白い」 だなんて……
なんとも彼らしい言葉であります。
♪ 振り向いた昨日に恥じないように
仰ぎ見る明日に恥じないように
Rolling 30 動けない花になるな
Rolling 30 夢吹く風になれ ♪
Posted by 小暮 淳 at 09:12│Comments(0)
│つれづれ