2021年12月25日
“下ネタねえさん” がやって来た!
子どもの頃、食べ物の好き嫌いが激しい子でした。
特に野菜、しかも緑の濃い野菜が食べられませんでした。
ピーマン、セロリ、パセリ……
ま、僕だけじゃなくて、これらの野菜は子どもたち全般に不人気だったと思います。
なかでも、大の苦手が “ねぎ” でした。
玉ねぎは、カレーやシチューなど、形がなくなるまで煮込んであれば大丈夫でしたが、長ねぎとなると、お手上げ状態。
「おい、鼻をつまんで、のみ込んじまえ!」
なんて、見かねたオヤジに、よく怒られたものです。
月日が経って、大人になっても、僕の野菜嫌いは一向に治りませんでした。
ただ、“キライ” でも食べられないことはないので、人前では、ちゃんと口の中に収め、あまり咀嚼(そしゃく)せずに、そのまま胃袋へとのみ込んでいます。
そんな僕を一夜にして、激変させた野菜があります。
それは、天下の 「下仁田ねぎ」 です。
とろけるような甘みと食感!
舌触りと味わい!
それまでの、ねぎの概念を覆す、一度食べたら誰もが食べたくなる不思議な “ねぎ” だったのです。
『ねぎとこんにゃく 下仁田名産』
と、「上毛かるた」 に詠まれる言わずと知れた上州名物であります。
最初に口にしたのは、生産農家が経営する旅館でした。
「ねぎぬた」 から始まり、「かきあげ」 「鍋」 「ねぎみそ」 ……
と下仁田ねぎのフルコースです。
なかでも 「かきあげ」 は絶品で、おかわりをしたほどでした。
“好きこそ物の上手なれ”
なんて言葉がありますが、一気に僕は、下仁田ねぎに、のめり込みました。
大嫌いだった “ねぎ” が、大好きになるきっかけとなった “下仁田ねぎ” に、「何か恩返しがしたい」 とまで考えるようになったのです。
「そうだ! もっと、たくさんの人に、この “ねぎ” の素晴らしさを知ってもらおう!」
と一念発起して、書き上げたのが、2014年に出版した 『下仁田ねぎの本』(上毛新聞社) でした。
これを読めば、下仁田ねぎの歴史から生産農家の苦労話、そして、なぜ、あんなに美味しいねぎになったのか?まで、ありとあらゆる下仁田ねぎの魅力を知ることができます。
今年も下仁田町の生産農家から “下仁田ねぎ” が届きました。
手間暇かけて育った、かわいい、ずんぐりむっくりとしたねぎは、もはや我が家の冬の風物詩であります。
焼いて旨し、炒めて旨し、煮ればさらに美味なり!
子どもの頃、「上毛かるた」 の 「ね」 の札のことを、こんなふうにふざけて詠んで遊んでいました。
<寝ずと今夜は 下ネタねえさん>
今宵も “下ネタねえさん” と一緒に、しっぽりと酒を酌み交わしたいと思います。
Posted by 小暮 淳 at 11:31│Comments(0)
│つれづれ