2022年02月04日
脱脂粉乳の境界線
「この間のブログ、面白かったです。私も脱脂粉乳世代ですから」
先日のイベント会場で、知人の女性に声をかけられました。
「えっ、脱脂粉乳世代なの?」
若く見えますが、ということは50代後半以上ということになります。
昭和を代表するキーワード、「脱脂粉乳」。
その言葉を知っいるか、知らないかで、世代が分かる “踏み絵” といえそうです。
今週、テレビ番組の撮影があり、その移動中のロケ車内でのこと。
年配のカメラマンが、僕の年齢を訊いてきました。
「昭和33年生まれです」
と応えると、
「私より2つ、お兄さんですね」
とのこと。
ということは、彼もまた脱脂粉乳世代であります。
「じゃあ、脱脂粉乳は知っているよね?」
すかさず、“踏み絵” を問いました。
すると、
「ええ、知っていることには知っているのですが、飲んだような、飲まなかったような……。味とかは、まったく覚えていません」
なに?
2歳違いなら、絶対に脱脂粉乳世代のはずです!
まさか、この2歳の違いに世代の境界線があるのだろうか?
ということで、調べてみました。
まず、「脱脂粉乳」 ですが、牛乳から脂肪分を取り除き、水分を飛ばした粉末の乳製品のことです。
栄養価が高いことから戦後、しばらく学校給食で飲用されていました。
食器は、アルマイト製。
ご存じない?
アルマイトとは、アルミニウムを加工したもので、軽くて丈夫なことから学校給食などに多く使用されました。
確か、金色と銀色の2種類があったと記憶しています。
ただアルマイト製の食器には、難点もありました。
熱伝導率が高いため、器が熱くなり過ぎて、持てないということ。
そのため、子どもたちは 「ひっかけ指」 というおかしな持ち方になり、当時は問題になりました。
何よりも脱脂粉乳の話題で尽きないのは、その味です。
とにかく、マズイ!
そして、クサイ!
みんな鼻をつまんで飲んでいました。
だから牛乳に替わった時は、うれしかった!
では、いつ学校給食の脱脂粉乳は姿を消したのでしょうか?
確か僕の小学校では、3年生まで脱脂粉乳で、4年生から牛乳になったと記憶しています。
学校給食の歴史を調べてみました。
<昭和33(1958)年から一部地域が牛乳へ移行>
とありますが、これは試験的に行った都市の一部地域だったようです。
<昭和49(1974)~50年に全国完全牛乳が提供>
とありますから10数年をかけて、徐々に移行していったことになります。
地域によって、移行された年も異なるということですから、カメラマンが通っていた小学校は、比較的早い時期に牛乳へ移行されたのかもしれません。
とはいえ、昭和50年には完全に牛乳になったわけですから、脱脂粉乳を知っている人は昭和43年以前生まれということになります。
ここが脱脂粉乳の境界線です!
みなさんは、脱脂粉乳を知っていますか?
知っている人は、何年生まで飲んでいましたか?
Posted by 小暮 淳 at 11:55│Comments(0)
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