2025年03月17日
昭和の老人
僕は、ほとんど漫画を読みません。
たぶん買って読んだのは、20代が最後だと思います。
そんな僕が唯一読んでいるのが、新聞の四コマ漫画です。
それと購読している新聞に、毎週日曜日に折り込まれるタブロイド判の 「新聞でよみがえる不朽の名作マンガ」 シリーズです。
過去には、『あしたのジョー』 や 『ブラック・ジャック』 など、少年時代に夢中になって読んだマンガも全シリーズが連載されました。
現在、連載されているのは、ちばてつや著 『のたり松太郎』。
暴れん坊だった主人公が、相撲の世界で活躍する話です。
で、このマンガの中に、ショッキングなシーンがありました。
松太郎が里帰りをした際に、昔世話になった近所の老人を訪ねます。
「じいさん、元気だったかい?」
と、頭が禿げ上がったヨボヨボの老人をねぎらうのですが、この時、老人が発した言葉に愕然としました。
「わしゃ、まだ60前じゃよ」
ガ―――――ン!
この老人は50代だったのです。
そういえば、『ブラック・ジャック』 にも、こんなシーンがありました。
親孝行の寿司職人が、故郷の母親の還暦祝いに寿司を握るという話です。
ところが!
そこに描かれていた母親は、腰が 「つ」 の字に曲がった老婆だったのです。
この人が、還暦ですか?
と、目を疑いました。
でもね、思えば昭和の老人は、こんなイメージだったのですね。
『サザエさん』 の父親の波平さんだって、あれで54歳ですからね!
(ちなみに母親のフネさんは52歳です)
なぜ、昭和の50代は、あんなにも老けていたのでしょうか?
これには寿命が関係しているのですね。
現在 (2023年調べ)、平均寿命は男性81.09歳、女性87.14です。
でも昭和の頃は?
1970年では、男性69.31歳、女性74.66歳です。
さらに10年前の1960年は、男性65.32歳、女性70.19歳なんですね。
ほ~ら!
50代は、立派な老人だったわけです。
いい時代になりました。
だって、さらに昔なら口減らしのために、60歳で姥捨て山に捨てられてしまったのですから……
あ~、昭和じゃなくて、令和の老人になれて、よかった~!
Posted by 小暮 淳 at 11:24│Comments(0)
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